旭川市の旭川赤十字病院を基地病院に、救急救命医療が必要な患者を運ぶ道北ドクターヘリが、2009年10月に就航してから10周年を迎えた。出動件数は累計で4400件を超え、年々増加傾向にある。医師の偏在で医療過疎が進む道北各地の救命医療を支える一方、維持費がかさみ、基地病院にとっては運航するほど赤字が膨らんでいく課題もある。
■稚内まで1時間
道北ドクターヘリの運航範囲は同病院から半径約120キロ圏内。上川、宗谷、留萌管内に加え、空知やオホーツク、十勝管内の一部60市町村をカバーする。約200キロ離れた稚内にも出動する。各地の消防が旭川赤十字病院に出動を要請すると、医師や看護師が病院の屋上からヘリに乗り込み、現場に急行。医師が現場で直接診断し、治療できるため救命率が上がり、後遺症の軽減につながる。
運航初年度の2009年10月〜10年3月の出動は半年で80件だったが、翌10年度は309件、11年度は421件に増えた。その後も出動は増え続け、ピークの14年度は541件に上った。陸路で約4時間かかる稚内―旭川間を、ヘリだと1時間で到着できるため、同病院の小林巌救命救急センター長(58)は「ヘリだから助かる命もある。今後もドクターヘリの重要性は増す」と話す。
■運航するほど膨らむ赤字
ただ、道北ドクターヘリは、運航すればするほど赤字が膨らむ課題に直面している。国と道は年間約2億5千万円の補助金を出しているが、道北ドクターヘリの運営費は年約2億7700万円にも上る。3千万円近い差額分は、格納庫の維持管理費や待機する医師の人件費など、補助金の対象とならない費用。差額分を埋めようと、機体の広告費として協賛企業から年576万円の支援を受けているが、残りはすべて旭川赤十字病院の持ち出しだ。
引用元:
道北の命救え 出動4400件 ドクターヘリ10周年 旭川赤十字病院(北海道新聞)