子宮頸(けい)がんワクチン接種後に一部の女性が訴える体調不良は、自律神経への異常な免疫反応が原因となっている可能性があるとの論文を、信州大病院難病診療センター(松本市)とドイツ、イスラエルの研究者でつくるグループがまとめ、7日までに米医学専門誌に掲載された。体調不良を引き起こす仕組みを解明する手掛かりになるとの期待があるという。

 研究では、ワクチン接種後に体調不良を訴えて信大病院に入院した55人と、接種していない57人を調査。自律神経の情報伝達に関わるアセチルコリンやアドレナリンといった物質と結び付く三つの受容体に対する自己抗体9種類の濃度を調べた。

 その結果、体調不良を訴えた女性のグループの方が濃度が高く、異常な免疫反応で自律神経の働きが低下し、めまいなどの体調不良を起こしたと推測した。一方、接種していない57人の中にも自己抗体9種類の濃度が通常より高い人がいた。濃度が高くても必ずしも症状が出るわけではないが、こうした人が接種すると、強い副反応を引き起こす可能性があるという。

 研究グループの中心となった信大病院難病診療センターの池田修一・特任教授(神経内科)は「ワクチンの接種前後で自己抗体濃度を比較するなど、詳細な研究を重ねる必要がある」としている。

 子宮頸がんワクチンを巡っては2013年4月、小学6年から高校1年の女子を対象にした定期接種が始まった。だが、体調不良の訴えが相次ぎ、国は同6月からワクチン接種を積極的に呼び掛けるのをやめている。

引用元:
子宮頸がんワクチン接種後の体調不良 自律神経に異常免疫反応か 信大病院難病診療センターなど論文(信濃毎日新聞)