高リスクの男性にもマンモグラフィーが有益

乳がんの早期発見に有用なマンモグラフィー検査は、これまで数多くの女性の命を救ってきた。

しかし、米ニューヨーク大学ランゴン医療センターのYiming Gao氏らが、約1,900人の男性を対象に実施した研究において、12年間にわたる定期的なマンモグラフィー検査によって、男性でも数多くの乳がんを発見できていたことが明らかになった。

詳細は「Radiology」9月17日オンライン版に掲載された。

Gao氏らは今回、男性におけるマンモグラフィー検査の有用性について検討するため、2005年から2017年にかけて合計2,052回のマンモグラフィー検査を受けた1,869人の男性(18〜96歳、年齢の中央値は55歳)のデータを調べた。

対象者の男性らは、遺伝的要因、人種あるいは民族的な要因、放射線への曝露歴、ホルモンバランスの異常などの医学的な要因を有しており、胸にしこりがあることに気付いたため、または家族が最近乳がんと診断されたため、マンモグラフィー検査を受けていた。

その結果、マンモグラフィー検査によって全体で2,304個の病変が発見され、133人の男性に149回の生検が実施されていた。

最終的には全体で41個(27.5%)の病変が悪性腫瘍、108個(72.5%)が良性腫瘍であることが判明していた。

また、乳がんの発見率は女性よりも男性の方が高いことも分かった。

マンモグラフィー検査による乳がん発見率は、女性では検査1,000回当たり約5例だが、高リスク男性では1,000回当たり18例だった。

その理由について、Gao氏らは「男性と比べて女性では乳腺組織が多く、小さな腫瘍が発見されにくいためだと考えられる」と推察している。

さらに、この研究からは、既に乳がんがある男性では再発リスクが84倍であることや、姉や妹、母親など近親者に乳がん患者がいる男性では自身も乳がんを発症するリスクが3倍であることなども明らかになった。

米国がん協会(ACS)がんスクリーニング部門のRobert Smith氏によると、女性と比べると男性が乳がんを発症する頻度はかなり低く、今年1年間の新規診断数は女性の26万8,600件に対して男性では約2,670件と予測されている。

しかし、Gao氏は「男性は定期的に乳がんスクリーニングを受けていないため、がんが進行してから診断されることが多い」と指摘。

「そのため、乳がん患者の予後は、女性よりも男性の方が悪い。

男性では、乳がんよりも精巣がんの患者数の方が多いにもかかわらず、ACSの推計によると、死亡者数では乳がんが精巣がんを上回っている」と説明している。

今回の研究により、高リスクの男性に対するマンモグラフィー検査の有益性が示されたが、Gao氏は「現時点では、男性がマンモグラフィー検査を開始すべき時期や、望ましい頻度については不明だ」とし、「なんらかのガイドラインを示すには、さらなる研究が必要」との見解を示している。

Smith氏も、「高リスクの男性に対しては定期的な乳がんの検査を検討すべきだが、乳がんを発症するリスクが極めて低い男性に対してマンモグラフィー検査を実施しても意味がない」と話している。(HealthDay News 2019年9月17日)

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(参考情報)
Abstract/Full Text
https://pubs.rsna.org/doi/10.1148/radiol.2019190971

構成/DIME編集部


引用元:
マンモグラフィー検査は男性の乳がん発見にも有効、ニューヨーク大学研究(@DIME)