兵庫県丹波篠山市は来年4月1日以降に出産する妊婦に対し、1人10万円の出産支援金を給付する方針を明らかにした。兵庫医科大学ささやま医療センター(同市黒岡)が本年度末での分娩休止の意向を示している問題について、酒井隆明市長は「了承はしていないが、存続は難しいと判断した」と説明し、市内外で出産する妊婦の負担軽減を目指す。

 18日の市議会長月会議本会議に約1770万円の一般会計補正予算案を提出した。支援金は市健康課に妊娠届を提出する際に申請する。妊婦1人につき10万円(多胎児の場合は5万円を加算)を給付し、既に妊娠届を出した人も対象。本年度は175人分を見込む。

 市は同大学に分娩存続を要望しているが、協議が平行線のため、休止を見越して支援制度を検討した。市内で出産できる施設がタマル産婦人科(同市東吹)だけになることから、支援金は市外への通院を見込んだ交通費などを含む。

 支援金に加え、子育て世代包括支援センターふたば(同市網掛)内に10月以降、「お産応援窓口」も新設する方針。従来の相談業務に加え、希望する母親に対して妊娠中に2回、出産後に1回、同じ助産師が家庭訪問してケアする。

 支援金は同医療センターに代わる出産体制が整うまで当面の間、支給するという。採決は26日。(金 慶順)

引用元:
丹波篠山市、妊婦に支援金給付へ 1人10万円(神戸新聞NEXT)