今、話題の本『やさしく正しい 妊活大事典』は、ツイッターで14万人が共感した「#夫婦の妊活バイブル」を書籍化したもの。

 不妊は女性だけの問題ではなく、夫婦ふたりで取り組むもの。

 男性も、未婚女性も知っておくべき最低限の「妊活知識」を、ヘルスアンドライツ代表取締役の吉川雄司さんと産婦人科専門医の月花瑤子さんの著書からご紹介します。

妊娠の確率が高いのはいつ?



【登場人物紹介】
せいじ

妊活ストーリーの主人公。大学卒業後は大手メーカーに勤務。友人の紹介で出会った「せいこ」と先日入籍。せいじもせいこも今年で30歳。「二人の理想の家庭」を築くために、家族計画を考えはじめたところである。

きょうこ先生

産婦人科医。日本人の「妊活」の知識レベルの低さを問題視し、義務教育だけでは補えない「妊活知識」を社会に広めようと、『妊活大事典』という本を執筆。「妊活をはじめたい男性」せいじと出会う。

きょうこ先生 さて、「妊娠」に関する問題です。

【問題】
もっとも妊娠の確率が高いのはいつ?

【A】排卵日当日
【B】排卵日翌日
【C】排卵日前日
【D】排卵日の2日前

せいじ 確か卵子が受精できる期間は24時間とのことだったんで、やはり排卵日当日じゃないんですか? なので、【A】だと思います!

きょうこ先生 実は……正解は【D】なんですよ。精子は3〜5日間は生き残れるので、実は排卵される卵子を待ち伏せする方が良いんです。

せいじ そうだったんですね……あっ! 僕の頭にあった「危険日は3日間」ってこれか! つまり、排卵日2日前から当日までの3日間が「妊娠しやすい」ってことですか?

きょうこ先生 うーん、おしい! 実は確率でいうと「排卵3日前〜前日」が妊娠の確率が高い3日間と言われています! 上図で、生理がはじまってから排卵日までの「妊活の流れ」をまとめています。

きょうこ先生 妊活の流れはだいたいこんな感じです! どうですか? 実は、こんな感じで「妊活」って進むんですよ! 

せいじ わかりました! この図は家のトイレのドアにでも貼っておきます!

きょうこ先生 それはいいアイディアですね! 夫婦二人で取り組むことがとても大切だと思います!

おばあちゃん家の
みかん箱理論とは?

せいじ ひとつ気になったんですけど、質問してもいいですか?

きょうこ先生 どうぞどうぞ。

せいじ さっきの図には「禁欲しない! 週に2〜3回は出しておく!」って書いてましたけど、なんだか溜め込んだほうが「渾身の一発」が発射される気がしているのですが違うんですか?

きょうこ先生 渾身の一発! 確かにそう思ってる方は多いですよね〜。結論から言うと、溜め込むことは精子の健康にとってはよくないです。

せいじ えーそうなんですか!! どうしてですか??

きょうこ先生 みかんの入った段ボール箱のようなもんですかね〜。

せいじ す、すいません……解説をお願いします。

きょうこ先生 「禁欲がなぜ精子にとって良くないか」を説明するには、少し難しい単語を使って説明することになるんですけど、その前に「みかんの入った段ボール箱」、いわゆる「みかん箱」を例にお話ししますね!

せいじ はい。よろしくお願いします!

きょうこ先生 「みかん箱」って、下の方のみかんが腐りはじめたら、どんどん周りのみかんもダメになっていくのを見たことあります?

せいじ はい、おばあちゃん家にいつもありました。

きょうこ先生 キン●マが「段ボール箱」で、精子が「みかん」だと思ってください。

せいじ なるほど……先生が言いたいことが何となくわかりました!!

きょうこ先生 それは良かったです!  詳しく説明すると、精巣内にある古い精子からは「活性酸素」というものが産生されます。それによって精子や精子を作る細胞がダメージを受け、結果として精子を作る力が低下していくんですね。また、精子の先っちょについているDNAが断片化(二重らせん構造が引きちぎれること)し、精子の質の低下をもたらしてしまいます。

せいじ なるほど……とりあえず……「みかん箱」で覚えます!  無理に我慢しなくていいということですね!!



引用元:
禁欲はなぜ精子に良くないのか? 一番妊娠しやすい時期との関係(CREA WEB)