鎌倉市は6月5日から、市内在住の妊婦を対象とした無料の歯科健診事業をスタートさせた。妊娠中は口内のトラブルが起きやすく、近年は胎児への影響も指摘されている。市担当者は「お母さんと生まれてくる赤ちゃんの健康のためにもぜひ制度の利用を」と呼びかける。

 これは子育て支援策の一つとして、(一社)鎌倉市歯科医師会(田中直人会長)に市が委託し、今年度から始まったもの。

 対象となるのは市内に住所がある妊娠中の女性で、現在、母子健康手帳とともに受診券や健診を受けられる医療機関(85カ所)の一覧が配布されている。

 希望者は事前に医療機関に予約をした上で受診すると、歯や歯ぐきの状態、歯石の付着具合についてのチェックとともに、歯みがきの指導などを受けることができる。受診回数は1回。

 妊娠中は女性ホルモンの影響で細菌が繁殖し歯ぐきの炎症が起こりやすくなるほか、つわりがひどい場合などは歯みがきがしづらく、口内の環境が悪化しやすい。

 重度の歯周病がある母親は、低体重児が生まれたり早産のリスクが高いデータがあるなど、近年、妊娠中の口腔ケアの重要性が認識されるようになっているという。

 従来も県の事業として鎌倉保健福祉事務所で歯と歯ぐきの検診を実施していたが、市内に約1千人と言われる妊婦のうち、受診は1年で数十人にとどまっていたことから、市独自の取り組みをスタートさせた。

 市内大町の歯科医院で受診した妊娠6カ月の女性(29)は「通知を見て受診した。これまで口の中の健康について特に意識したことはなかったので、今日受けたアドバイスを普段の生活で生かしたい」と話していた。

 制度の詳細は市市民健康課【電話】0467・61・3944へ。

引用元:
鎌倉市 「妊婦歯科健診」スタート(タウンニュース)