妊娠や出産で体質が変わることはあるのでしょうか。今回は30代の女性からの相談です。出産してから平熱が高くなり、汗をかきやすくなったといいます。何が原因で体質変化は起こるのでしょうか。また、いつまで続くものなのでしょうか。専門家に聞いてみました。

産後の体調不良についての相談:「産後に汗をかきやすくなったことについて」
出産した直後から暑がりになり、異様に汗をかくようになりました。出産前はどちらかといえば冷え性で、平熱が35度台でしたが、出産してからは常に「暑い」と感じるようになり、体温も37度近くあります。喉や鼻などの症状はなく、風邪を引いているわけでもありません。特に授乳中は汗が酷く、赤ちゃんを支える手のひらがびっしょりになってしまいます。産後に暑がりや汗っかきになってしまうのはよくあることなのでしょうか。初産で授乳に慣れていない焦りで汗をかいてしまっているだけなのか、それとも出産に伴うホルモンバランス等の乱れによるものなのか、原因を教えて下さい。また、この状態はいつまで続くのでしょうか。(30代・女性)
ホルモンバランスの影響で産後の多汗に

産後に大量に汗をかくようになる産後の多汗は女性ホルモンのバランスが原因で起こるようです。
産後直後に大量に汗をかくのは、体内に溜め込んだ水分が汗や尿として排出されるためです。それは一時的な症状ですが、産後数ヶ月にわたり多汗症状が続く場合もあります。産後に女性ホルモンの分泌が急激に減少することによるとされています。(看護師)
産後に汗がよく出る症状を「産後の多汗」と呼んでいます。産後、妊娠中にたくさん分泌されていた女性ホルモンが急激に減少するのですが、この時に一時的に男性ホルモンが優位になってしまうことがあります。男性ホルモンが優位になることで汗をかきやすくなり、ほてり等の更年期症状と同じような症状が見られることがあります。(助産師)
授乳の時に関しては、慣れないために焦って汗をかくこともあるかと思いますが、授乳は想像以上の体力を使います。また、母乳は血液から出来ているため、授乳すると血行が良くなり、体温が上がって汗をかきやすくなります。赤ちゃんの頭を支えている腕などにあせもが出来やすいので、汗をかいたら着替えたり、汗を拭き取ったりする等、清潔にするよう心掛けてくださいね。(助産師)
症状は一時的なもの。母体の回復に努めて

ホルモンバランスが元に戻ることで症状は治まるようです。母体を休め、回復を心がけるのが良いとの声が寄せられました。
女性ホルモンと自律神経は密接に関係しているため、女性ホルモンのバランスが整うまでは自律神経の影響も受けて発汗が起こります。女性ホルモンのバランスが整うのには個人差がありますので、多汗症状の期間も個人差があります。(看護師)
多汗症状はホルモン動態が落ち着くまでの一時的なものですので、いつまでも続くわけではありません。産後、月経が開始する頃には治まると思います。月経開始の時期は個人差が大きいため、いつまでとはいえませんが、身体が少しずつ妊娠前の状態に戻るのに必要な時間ということです。(助産師)
症状は、ホルモンのバランス・自律神経のバランスが回復しながら改善していきます。また、授乳を続けている間は、女性ホルモンのバランスが整いにくくなります。女性ホルモンのバランスを整えるためには、まず休息が大切です。赤ちゃんが寝ている間に家事をしようと思わず、一緒に横になるようにしましょう。(看護師)

産後の多汗は一時的なものですが、症状が出ている間はこまめに拭きとったり服を着替えたりして、母子ともにあせもにならないよう気をつけるのが良いようです。

引用元:
出産してから汗をかきやすい体質に…何が原因?いつまで続く?(イクシル)