わが家の子育て。「怒らずに叱る」ことができるようになるまでは時間がかかりました。
 「子供を“怒って”いませんか。子供は“叱る”ものです。」
 
 この言葉ほど、親にとって難しいものはないのではないでしょうか。
 
 私には3人の子供がいます。
 上から、長女、長男、次男です。
 
◆長女・長男の場合
 上2人はごく普通の子で、特別手が掛かることもありませんでした。
 もちろん、子供ですから完璧ではありませんでしたが、私の言うことを聞かなくて困るようなことはありませんでした。
 
 しかし、長女については、母や周囲の年配の方々から、
 「この子は強く叱る必要がない子。ものわかりがいいね」
 と、言われていたにもかかわらず、私はその時の気分で娘をきつく叱って泣かせることがあり、あれはよくなかったと今頃反省しています。
 
 また、長男などは男の子にしては少々神経質でおとなしく、こちらも私が厳しく言いすぎて、萎縮してしまったのではないかと思う面が大人になった今あります。
 もしそうなら、私は親としてまったく失格です。
 
◆次男の場合
 しかし、3人目の子が幼稚園に入園してから、私は子育てについて本当に真剣に考えなくてはならなくなりました。
 
 次男は元気いっぱいなのは良かったのですが、同時に落ち着きが無く、何より困ったのが、私が叱っても聞かないことでした。
 そして、とうとう、
 「お父さんに電話します」
 と、言うことが多くなりました。
 
 自分でわからせるのではなく、「父親」という言葉で脅していたのです。
 
 また、私は自分がカッカして、次男に何が悪いのか理解させていなのではないか、と気づきました。
 
 周りに迷惑をかけてはいけない、友達のいやがることをしてはいけない、とにかく周囲から苦情が来ないようにしてほしいという自分の思いだけから、何かをするとすぐ怒っていました。
 次男本来が持っているのびのびした性格を、押さえつけようとしていました。
 
 活発な子ですから、こちらも「いけません!」と怒鳴ってしまう。
 しかし、この方法だと「ごめんなさい」と言うだけで、耳を通り越して頭の中にとどまらないようなのです。
 
 そこで小学校に入ったころから、次男が悪いことをしたときは、私と次男の2人だけで静かな部屋に入ることにしました。
 部屋に座らせ、次男のしたことがどういう意味で良くないのか、こちらも冷静に諭すようにしました。
 
 そして最後に次男に「自分が何をしたか、どうしていけないのか」を言わせました。次男が私の言うことを理解したかを確認するためです。
 これは効果があり、次男も厳粛な顔で私と対するようになりました。
 
 それでいたずらがおさまるわけではありませんが、本当に少しずつでしたが、善悪の判断について考えるようになっていきました。
 
◆最後に
 同じ両親から生まれても、子供は性格がそれぞれ違います。
 それを親が見極め、そのときの自分の感情に流されず、その子その子がちゃんと理解できるような叱り方するように努めたいものですね。
 
※筆者による寄稿記事です
 
文● 碧のペン

引用元:
子どもを怒らず叱れるようになるまで(Yadoo!ニュース)