思いがけない妊娠による赤ちゃんの虐待死を防ごうと、県は無料の「妊娠SOS相談窓口」の利用を呼び掛けている。県こども家庭課の担当者は「匿名なので心身の悩みを気軽に相談してほしい」と話す。


 県内では十日、掛川市のホテルの女子トイレのごみ箱に生まれたばかりの女児が放置され、その後、殺人未遂の疑いで母親(23)が逮捕された。


 窓口は二〇一二年十月に開設。一八年度末までの相談件数は千三百一件(一日平均二件)。十〜二十代からの、妊娠判定や身体の状況、中絶、費用、性被害の相談が多い。虐待につながるのを防ごうと一九年度中に、医療機関への受診の同行や、簡易妊娠判定の支援を始める。


 厚生労働省によると、一六年度、虐待で死亡した子どもの年齢はゼロ歳が全体の65・3%を占め、うち生後ゼロカ月が半数に上る。その母親の抱える問題として「望まない妊娠、計画していない妊娠」が49・0%、「妊婦健診の未受診」は46・9%。


 県の担当者は「医療機関が関わっていない妊娠や出産は虐待死につながりやすい。窓口を通じて必要な支援につなげたい」と話している。


 相談は水、土曜の午後一〜五時、助産師の資格を持つ相談員が電話=055(941)5006=やメールで対応する。窓口のホームページは「静岡 妊娠SOS」で検索。


(三宅千智)


引用元:
妊娠の悩み 抱え込まないで 県の相談窓口利用を(中日新聞)