仕事と妊活の両立、家庭と妊活の両立、それぞれに工夫が必要です。がんばりすぎてしまうがゆえに、ストレスを抱えてしまう人も少なくないようです。最近、“妊活うつ”という言葉も聞かれます。いったいどんな状況なのでしょうか。認定不妊カウンセラーの笛吹和代さんに聞きました。

妊活そのものがストレスになる

休職制度もない会社で、だれにも相談できず、だんだん追い詰められて退職してしまうケースは少なくありません。最近は“妊活うつ”という言葉も聞かれるようになりました。実際、妊活そのものがストレスになります。

よく聞くのが、会社で加入している健康保険を利用した休職制度で半年ほど休み、そのままフェイドアウトで退職するというパターンです。病気やケガで仕事ができないとき、勤務状態によって期間が異なりますが、傷病手当金が支払われます。もちろん、うつ症状でも医師の診断があれば、適用されます。不妊治療向けの休職制度はなくても、健康保険の休職制度は使えるということです。本人にとっても、また制度面からも決して本意の利用法ではないでしょう。

みなさんは昨年放映されたドラマ『隣の家族は青く見える』をご覧になりましたか?働きながら不妊治療をしていた妻(深田恭子)が、子どもが授からず、最終的には家を飛び出し、どうやら実家に戻って実家の近くの支店に転勤したようなのですが……このあたりはドラマだなぁと思いましたが……妻が妊活も夫も家庭も嫌になってバーンアウトしてしまいます。最終的には夫が迎えに行って夫の元に戻るという内容だったのですが、結果的に不妊治療はやめてしまうという内容でした。

私が不妊カウンセラーとして活動しているのは、女性にバーンアウトしないでほしいからです。

夫婦だからこそ話し合えないこともある

このドラマでは、妻と夫(松山ケンイチ)のコミュニケーションもうまくいかなくなってしまいました。夫婦間のコミュニケーション不足、感情のすれ違いは、働きながら妊活するうえでの“つまずきポイント”になります。

私のところに相談にいらっしゃる女性のなかには、夫の感情を勝手に作り込んで悩んでおられる人がけっこういらっしゃいます。

話していると、「夫をパパにしてあげたい」というフレーズがよく出てきます。Instagramにもこういうハッシュタグがあるぐらい、よく使われるフレーズです。しかし、本当に夫がそこまで「パパになりたい」と思っているのかどうか?ここに疑問符が沸くのです。

女性は「仕事を辞めて治療に専念すると決める」とか、「不妊治療をやめる」など大きな決心が必要なタイミングで相談に来られます。そのとき「ご主人の意見は?」と聞くと、「夫もそう望んでいる」と答えるのですが、本人に実際に確かめているわけではない、ことが多い。妻のほうで「夫はこう思っているだろう、でも、夫は私に気を遣って言わないのだ……」と勝手に思い込んでいることが少なくないという印象です。私はこのパターンを発見したときは、「いったん、ご主人に聞いてみてからにしたらどうですか」とアドバイスしています。

夫婦だからこそ、本音でぶつかれないという面があると思います。意見が真っ向ぶつかってしまったら?そのあとも2人は生活していくのですから、まともにぶつかりたくない気持ちもわかります。もやもやした状態が続くこともありえます。これについては「これが正解」という答えはありません。その時その時、夫婦で話し合いながら悩みながら進んでいくしかないのです。

夫婦間と違って、職場のもやもやは冷静になれば解決策が具体的に見えてくるはずです。職場の問題は職場で解決。繰り返しになりますが、相談できる人を探しておきましょう。


悩みはつきもの。でもたまる前、だれかに相談して!

賢人のまとめ

妊活相談では、夫婦間のコミュニケーションが十分に取れていないと感じることがよくあります。急がず、夫婦で話し合う機会を見つけてください。一方、職場での悩みには解決策が見つかるはず。ひとりで抱え込まず相談できる人を探しましょう。

プロフィール

妊活の賢人 笛吹和代

働く女性の健康と妊活・不妊に関する学びの場「女性の身体塾」を主宰する「Woman Lifestage Support」代表。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。臨床検査技師でもある。化粧品メーカーの開発部に勤務中、29歳で結婚。30代で不妊治療を経て出産。治療のために退職した経験から、現在は不妊や妊活に悩む女性のための講座やカウンセリングを行なっている。


引用元:
<働きながら妊活しましょ>増加している“妊活うつ”、予防策はあるの?(ニコニコニュース)