北摂地域の周産期医療の中核を担う豊中市立豊中病院が、妊娠30週前後の妊婦に対し、胎児の全身を超音波(エコー)検査するシステムを導入した。医師と超音波検査士の連携が評価され、日本胎児心臓病学会から「里見賞」を受けた。
豊中病院は産婦人科医12人、超音波検査士8人が所属。2017年の分娩(ぶんべん)は807件、内科・外科・小児科領域のエコー検査は約1万7千件。出生後に早く手術を受けなければならない心疾患を胎児期から診断できるようになったため、産科エコー検査による出生前診断の件数が増え、産科医の負担が大きくなっていた。
16年、日本胎児心臓病学会が認めた「胎児心エコー認証医」の河津由紀子さんが赴任したの機に、超音波検査士、産科医、小児科医が協議。超音波検査士が約30分かけて精密な産科エコー検査をし、必要に応じて医師に連絡するシステムの運用を18年8月に始めた。
これまでは妊婦1人を産科医1人が診断してきたが、新システムでは、産科医の負担を減らす▽複数の目で診ることで疾患を見つけやすくなる▽超音波検査士からきめ細かなデータが提供される――などのメリットがある。運用開始から今年2月までに122件の検査があり、数件で超音波検査士が軽微な異常に気づき医師と連絡を取り合って対応。運用は順調という。
システムに携わった超音波検査士と医師の計5人が今年2月、大阪市の大阪国際会議場で開かれた日本胎児心臓病学会で取り組みを発表。里見賞(チーム医療部門)に選ばれた。豊中病院の山内一浩・臨床検査部長は「チームの取り組みを評価してもらった。胎児スクリーニングを全国に広げていくのにシステムが役立ってほしい」と話した。(永井啓吾)
引用元:
胎児エコー検査に新システム 市立豊中病院(朝日新聞デジタル)