赤ちゃんが産まれて元気な顔を見ると、とにかく無事に生まれてくれたことにホッと一安心し、この瞬間から子育てがスタートします。子育てをしていて、心配することの1つが体調不良です。体調不良は大きく分けて2つ。1つは病気による体調不良。もう1つは事故やケガなどによる体調不良。今回は、赤ちゃんの異変にいち早く気づくために、親ができるチェックポイントを話します。

■「いつもと違う泣き方」は異変のサイン

 毎日赤ちゃんと過ごしていると、いつもとは違う様子が見られることがあります。例えば「泣き方」もその1つです。赤ちゃんは、言葉で訴えることができないため、普段から泣くことで自分の気持ちを伝えています。その泣き方が「いつもと違う」ということは異変のサインかもしれません、まずは基本的なチェックを行います。

・体温を測る
・顔色、食欲など全身状態を見る
・ぶつぶつなどないか、肌の状態をチェック
・汗はかいていないか?
・おなかはすいていないか?
・おしっこやうんちは出ているか?

 そのうえで、発熱している、顔色が悪い、不機嫌、ぐったりしている、息苦しそうなどの症状が見られたら受診が必要です。

 普段のスキンシップが体調不良に気づくきっかけになる

 赤ちゃんの平熱は、大人よりも高く37度前後の子もいて、1日の中でも上下動があります。保育所では朝昼夕と1日3回検温しているのですが、赤ちゃんの中には「朝は37.5度、お昼寝後は36.8度」の子もいます。「37.5度」だけ見るとドキッとしてしまいますが、それが毎日だった場合、「コレがこの子の体温の動きなのだな」ということがわかります。服が厚めで熱がこもり、一時的に38度を超えることもあります。親が知っておくと安心なのは赤ちゃんの「一日を通しての平熱」と「どんな時に熱が上がるか?」ということです。

 発熱している赤ちゃんの体は、抱っこしても「いつもと違う」ことが分かります。全身があたたかく、口から出てくる息も生あたたかいです。普段のスキンシップで赤ちゃんの体温を感じながら抱っこをしていると、異変にいち早く気づくきっかけになります。

■赤ちゃんが動き始めたら

 最初は仰向けで寝ているだけの赤ちゃんは、半年もすると寝返りをして動き始めます。そうすると今までになかった「部屋の探索活動」が始まります。床にある物はなんでも口に入れ、コンセントの線を引っ張り、テーブルによじ登り、食器棚を開け、便器の水を触るなどなど。その結果、高いところから落ちて頭を打ったり、異物を飲み込んだり。赤ちゃんがけがをしないように危ないものは手の届かないところに置き、ベビーサークルなどのグッズを駆使するなどしても、大人の予想外の出来事を引き起こすので事故が起きてしまうことがあります。では、よくある事故を例に挙げ、その対処方法と異変のポイントを見てみましょう。

<頭を打った時>
赤ちゃんは頭が重いので、転ぶとよく頭を打ちます。おすわりやつかまり立ちをしていてバランスを崩し後ろにひっくり返る。歩いていてこける。階段から落ちるなど、頭を打つにもいろいろな状況があります。頭を打った場合は打ったところを冷やし、無理をせず48時間は様子を見ます。
・意識障害がある、ぼんやりしている
・呼吸をしていない
・けいれんしている
・嘔吐がある
・顔色が悪い
などの症状がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

<溺れた時>
赤ちゃんの水の事故は、その多くは自宅で起きています。赤ちゃんは水深10センチでおぼれますので、赤ちゃんがお風呂に簡単に入れない工夫をし、残し湯をしないようにします。トイレや水槽にも気をつけましょう。すぐに引き上げて呼吸が普通に戻れば様子を見ていてもかまいませんが、
・5分以上水につかっていた
・意識がない
・呼吸をしていない
など異変があればすぐに救急車を呼びましょう。

<誤飲した>
タバコ、ボタン電池、ビー玉、薬品など、飲み込んではいけないものを赤ちゃんが飲み込んでしまうこともあります。飲み込んだものの形、毒性の程度によって対応が変わってきます。異物を飲み込んだと分かったら、救急車を呼ぶか、医師に連絡し対応を仰ぎます。

 病気の時も事故やケガの時も、共通して、泣き方がいつもと違う、高熱がある、けいれんしている、呼吸が苦しそうなど、普段と違う様子が見られる場合は、迷わず受診してください。赤ちゃんの異変は、普段の様子とどう違うのか?を見極めることが大切です。だからこそ普段からの赤ちゃんの様子を知っておくことはとても大切なのです。

引用元:
赤ちゃんの危険信号は「普段とは違う」 泣き方や抱っこした時の体温をチェック(AERAdot.)