厚生労働省は16日の「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」で、妊産婦への医療を充実させるための「議論の整理案」を示し、おおむね了承された。委員からは、妊産婦への医療提供について、自治体が実施する助成制度で支援すべきだとの指摘があった。この日の意見を踏まえて、同省は6月以降の次の会合で整理案を改めて提示し、取りまとめを目指す。【松村秀士】
整理案は、計3回にわたる検討会での意見を項目ごとにまとめたもので、▽妊産婦に対する相談・支援の在り方▽妊産婦に対する医療提供体制の在り方▽妊産婦を支える体制―の3つに分け、それぞれの現状と課題、主な意見を記載している。
例えば相談・支援の在り方では、妊娠前の健康管理で気を付けていたこととして、「葉酸を積極的に摂るようにする」と答えた人が一定数いるものの、その重要性が十分には認識されていないと指摘。こうした状況について、ワンストップな相談・支援が可能となるよう、一元的な連絡先を妊産婦に周知すべきだとしている。また、妊産婦が産後に感じた不安や負担の具体的な内容は時期によって異なることから、産後ケアを充実させる必要性を強調している。
医療提供体制の在り方では、約半数の妊婦が妊娠中に妊婦健診以外の目的で医療機関を受診していると説明。その上で、偶発合併症を伴うリスクの高い妊婦が増えていることから、妊産婦に対する診療で産婦人科とそれ以外の診療科との連携を拡充すべきだとしている。
厚労省は、こうした医療の充実策を盛り込んだ「議論の整理」を中央社会保険医療協議会(中医協)へ報告する。中医協では、これを基に妊産婦への医療に関する診療報酬上の評価の在り方を議論する。
■相談・支援、具体的な体制の検討求める声
16日の会合では、整理案に対して強い反対意見は出なかった。ただ、平川俊夫構成員(日本医師会常任理事)が、「少子化対策として、自治体で行われている乳幼児医療費助成制度がある。こうした助成制度を妊産婦にも広げて『妊産婦医療費助成制度』という形で検討すべきだ」とし、自治体による助成制度で妊産婦医療をサポートする必要性を強調した。
野口晴子構成員(早大政治経済学術院教授)は、妊産婦への医療提供を診療報酬上で評価する場合について、「妊産婦がきちんとしたサービスを受けたと思う、それに見合ったお金を支払っても構わないと実感できるような取り組みを評価することが重要だ」と指摘した。
このほか、構成員からは、「妊産婦への相談・支援の在り方では、具体的な体制についてもう少し議論が必要」(井本寛子・日本看護協会常任理事)、「パートナーの支援が非常に大事」(松本義幸・健康保険組合連合会参与)といった声も上がった。
引用元:
妊産婦への医療の充実、整理案をおおむね了承 - 厚労省検討会、次回で取りまとめへ(CBnews)