毎年世界で亡くなる250万人の新生児のうち、80%以上は低出生体重児なのだそうだ。新生児期を生き延びても、発育阻害をはじめ、その後も糖尿病や循環器疾患などの慢性的な症状を含むさまざまなリスクにさらされる。先進国でも新生児のうち約7%が低体重児で、改善が進んでいない現状を、ユニセフの専門家らが世界的な医学専門誌『ランセット』で発表した。

 研究者たちは、世界148カ国について調査、合計2億8,100万件を超える出生に関するデータを収集した。だが、世界中のすべての出生数の4分の1にあたる47カ国には、そもそも十分なデータが存在しないことも分かった。

 2015年の低出生体重児の出生率が推計で最も低い国のひとつはスウェーデンで2.4%。米(8%)、英(7%)、豪(6.5%)など、いくつかの先進国では7%前後。日本は9.5%で、2000年の8.6%からなんと増加している。低出生体重児の数が最も多い南アジアとサハラ以南のアフリカでは、低出生体重児の出生率が減少しているが、人数自体は出生数の多さや移民などによる人口増加で440万人から500万人に増加した。

 低出生体重の要因には、極端な妊娠年齢、多胎妊娠、分娩合併症、妊娠高血圧症候群(HDP)などの妊婦の慢性的な症状、マラリアなどの感染症、栄養状態、また室内空気汚染などの環境要因、喫煙や薬物使用などがある。ユニセフの専門家は、各国政府の低出生体重児を減らすための努力が少なすぎると指摘。「2025年までに30%削減という目標を達成するには、進展のペースを2倍以上にする必要がある」としている。

引用元:
世界の7人に1人が低体重児 改善進まず、日本では増加(オーヴォ)