京都府京丹後市内の病院で出産できない状態が続いている。市内で唯一、24時間態勢で出産に対応してきた市立弥栄病院の産婦人科部長の大田美則医師が3月10日に急死して以来、出産に対応できなくなっているためだ。市は一日でも早く医師を確保して出産に応じる態勢を再開しようと懸命だが、「八方手を尽くしても過疎地に来てくれる医師はなかなかいない」という。再開のめどは立っておらず、三崎政直市長が「子育て環境日本一」を掲げる中で少子高齢化が進む過疎地の厳しい現実を映し出している。


 市によると、弥栄病院の産婦人科の医師は従来、常勤2人、非常勤2人の計4人。24時間態勢で出産に対応してきた。出産は高いリスクを伴うケースがあり、緊急時にも対応できる態勢を取ってきた。

 しかし、大田医師の急死でこの態勢が取れなくなり、出産に応じることができなくなった。市内の出産は年間300件ほどあり、与謝野町の府立医科大付属北部医療センターや兵庫県豊岡市の豊岡病院などに行ってもらうよう依頼している。

 市によると、市内には市立弥栄、久美浜病院、丹後中央病院、丹後ふるさと病院の4病院があるが、現在産婦人科があるのは弥栄病院だけ。産婦人科の開業医はいない。500平方キロを超える広大な市域がある中、それぞれの病院が地域医療を支えていると説明している。

 全国的に小児科と産婦人科の医師確保がとりわけ困難になる中、市は小児科と産婦人科医師を目指す医学部生には奨学金支給を加算する制度を創設するなど医師確保に全力を挙げているが、医師の確保は非常に難しくなっているという。

 上田雅彦医療部長は「医師確保が肝。市としてはお願いする立場で、安心してお産できる態勢を一日でも早く再開したい」と話している。

引用元:
京丹後市内の病院で出産できない状態続く 市立病院の医師急死(毎日新聞)