がんを経験後、出産した女性が、2011〜15年に全国で少なくとも2844人いたことが、日本医療研究開発機構の研究班による初の実態調査で分かった。

 治療の影響で妊娠しにくくなる事態に備えた卵子や受精卵の凍結も、同時期に全国で1200件以上行われていた。

研究班が全国の主要産婦人科施設にアンケートしたところ、調査対象の5年間に、全体の4割に当たる255施設でがん経験者が出産していた。

 出産者のうち、治療内容によっては卵巣機能が傷むと予想されるがんになった女性が1450人いたが、その中で卵子や受精卵をあらかじめ凍結保存していたのは2%(29人)にとどまった。凍結保存していなかった人では、4人に1人程度が不妊治療を受けて妊娠していた。

 研究班はまた、全国の体外受精実施施設に、がん患者の卵子などを凍結保存した経験があるかを調査。同じ5年間に計126施設で少なくとも1207件の凍結保存が行われていたことが判明した。ただ、対応するがんの種類や排卵誘発の方法などに施設間でばらつきがあった。

 がん経験者の妊娠出産の支援を巡っては、日本癌治療学会が卵子や受精卵凍結保存のための指針を17年に策定している。

 調査を担当した原田美由紀・東京大講師(生殖医学)は「卵子などの凍結保存を利用した出産はまだ少なかったが、体外受精施設では相当数の凍結が行われていた。指針を普及させ、がんと生殖それぞれの分野の医師らが連携を強めることで、どの医療機関でも質の高い対応ができるよう望みたい」と話している。


引用元:
5年で2800人超が出産 がん経験した女性 (47NEWS)