流産や妊娠初期に出血を経験した女性に黄体ホルモン(プロゲステロン)を投与することで、次の妊娠で流産の確率を下げられると、英バーミンガム大学の研究チームが発表した。




この研究では妊娠中の女性4000人を対象に臨床実験を行った。

流産を2度経験したサマンサ・アレンさん(31)は、8週間にわたって黄体ホルモンを摂取したところ、息子のノアちゃんを授かった。




黄体ホルモンは子宮内膜を維持したり、免疫系を支援したりするのに必要なホルモンで、妊娠時に不可欠なもの。

アレンさんは研究の一環として、妊娠16週まで1日2回、黄体ホルモンの膣用座薬を処方された。

アレンさんによると、黄体ホルモンの投与から1週間で出血が止まり、その後は問題なく妊娠が継続した。

流産を経験した女性が1人でも多く、この効用を得てほしいとアレンさんは話した。

「他の女性が私と同じような苦しみを味わわなくていいようになってほしい。流産は女性に悪影響を及ぼすので」

妊娠した女性の5人に1人が流産を経験する。妊娠初期の出血は、流産のリスクを高めるとされている。

黄体ホルモンの投与はすでに体外受精の一環で行われているため、アレンさんは臨床実験への参加にためらいはなかったという。

バーミンガム大学の研究チームが学術誌「 New England Journal of Medicine」に発表した研究では、4000人の被験者のうち2000人に黄体ホルモンを、もう2000人には偽薬を投与した。

被験者は全員、妊娠初期に出血を経験したことのある女性だった。

黄体ホルモンを摂取しても出血がおさまらない被験者もいたが、最も効果が大きかったのは流産を繰り返し経験している女性で、出産の確率は15%上昇した。

3回以上流産を経験した被験者のうち、黄体ホルモンを投与した137人中98人が赤ちゃんを出産した。一方、偽薬を摂取していた148人で赤ちゃんを授かったのは85人だった。

研究を主導したバーミンガム女性・小児病院のアリ・クーマラサミー氏は、この治療法によって何千人もの赤ちゃんが救われると話した。

「国立医療技術評価機構(NICE)がこの研究結果を考慮し、流産の可能性のある女性に対するガイドラインを更新してくれることを願っている」

現在、流産のリスクを負った女性に対して「私たちができることは何もない」とクーマラサミー氏は説明した。

一方で、流産の原因は複雑なため、黄体ホルモンによる治療で全ての女性を助けられるわけではないと指摘している。

流産に関する慈善団体「トミーズ」のジェイン・ブリューウィン会長は、「これは流産を経験したカップルにとって重要な研究結果だ。これからはたくさんの命を救い、流産の苦しみを阻止できる画期的で効果の高い治療法を選ぶことができる」と話した。

「さらなる研究によって治療法が増え、究極的にはより多くの流産を阻止できるようになるという確信が持てた」


引用元:
流産のリスク、黄体ホルモン投与で軽減=英研究(BBCニュース)