バングラデシュに住む20歳のアリファ・スルタナさんは2019年2月に男の子を出産。産後の経過は順調でスルタナさんと赤ちゃんはすぐに退院することになりましたが、その後1か月もたたないうちにスルタナさんは下腹部の痛みに襲われ、再び産婦人科を訪ねました。そこで超音波検査を受けたところ、なんとスルタナさんには子宮が2つあり、最初の男の子とは別の子宮で双子を身ごもっていたことが判明しました。
子宮を2つ持つことは実はそれほど珍しくない
通常の場合、女性の子宮や卵管は胎児期にミュラー管と呼ばれる組織が2本から1本に癒合して形成されます。しかし、癒合に失敗して左右のミュラー管がそれぞれ別々の子宮になる場合があり、これを「完全重複子宮」と呼びます。実は2つの子宮を持つこと自体はそれほど珍しくないようで、科学誌サイエンティフィック・アメリカンによると、2000人に1人の女性が2つの子宮を持っているとのこと。一方で、今回のように両方の子宮で同時に妊娠し、しかも片方には双子を身ごもっていたというケースは非常にまれで、アメリカ国立衛生研究所は100万に1人の割合でしか発生しないと報告しています。
スルタナさんの経過
2つ目の子宮で双子を妊娠していたことが分かったスルタナさんはバングラデシュの首都ダッカの医科大学附属病院で緊急手術を受け、帝王切開により男児と女児の双子を出産しました。幸いなことに、2度目の出産でも母子ともに健康で元気だったとのこと。スルタナさんを診察したシエラ・ポッダー医師は「今回のケースは衝撃的で、診察した時は本当に驚きました。誰もこんなケースを見たことがありませんでしたからね。でも、3人とも元気でとてもほっとしています」と話しました。
バングラデシュは世界最貧国のひとつにも数えられており、農村部に住むスルタナさんの夫の収入は月収6000タカ(約8000円)しかありません。医療費が支払えないスルタナさんは、最初に男児を出産した病院で超音波検査を受けることができず、双子を妊娠していることが分からなかったとのことです。それでも、取材を受けたスルタナさんは「子どもたちがみんな元気なのは神様のご加護あっての奇跡です。みんなの幸せのためにできることならなんでもするつもりです」と前向きな気持ちを述べていました。
引用元:
わずか1か月の間で2度の出産を経験し3人の子どもを産んだ女性(GIGAZINE)