3月21日告示の福井県知事選の立候補予定者による公開討論会が16日に鯖江市内であり、現職の西川一誠氏(74)、前副知事の杉本達治氏(56)、共産党県書記長の金元幸枝氏(60)が少子高齢化などをテーマに持論を訴えた。

―少子高齢化に歯止めを掛け、地域の未来を担う子どもたちが増えていく環境をつくりだすためにどうするか。

 杉本達治氏 自分の子育てを振り返ると、小学校に入学するまでが大変だった。幼児教育・保育無償化は10月に始まることになっているが、0〜2歳児については厳しい所得制限がある。ここを少しでも広げなければならない。さらに学童保育を増やし、高校の授業料無償化を私立高に広げる。女性活躍支援もとても大事だ。短時間勤務やテレワークなどの制度を企業にお願いし、働き方改革を通して夢を実現できるようにする。

 金元幸枝氏 まずは正社員が当たり前の社会をつくらなければならない。若者の2人に1人が非正規雇用で、一生懸命に働いてもボーナスが出ず、低賃金で生活が不安定だ。これでは結婚を決意できないし、子どもを2人、3人と産み育てられない。正社員になったらなったで、長時間の過密労働でふらふらになって過労死するケースが後を絶たない。若者を使い捨てるブラック企業がまん延する状況を解決しなければならない。

 西川一誠氏 1期目から少子化を意識し、これまでに病児支援や15歳までの医療費無料化などを実行してきた。女性活躍支援の取り組みも日本一の県だと思う。国はこうした福井県の先進的な政策を後から取り入れ、全国展開している。そうすると福井県に国費が入り、県単独でやっていたお金がいらなくなり、その分を先端的な県の独自事業に充てられる。そういう流れで少子化対策をトップランナーでやることができている。

 金元氏 杉本氏は、幼保無償化の財源として消費税増税に賛成の立場か。西川氏は、子どもの医療費を18歳まで無料化する考えはあるか。

 杉本氏 消費税は広く薄く国民が負担する税金。そういう意味では、広くみんなで子育てをするという趣旨で間違ってはいないと思う。

 西川氏 15歳までの医療費無料化自体も石川、富山両県より充実している。高校まで義務教育のような状態なので18歳までぜひ応援したい。

―知事選立候補への思いを語ってほしい。

 西川氏 福井国体は皆さんと一致協力して大成功となった。条件を整備すれば、地方も大都市に勝てる。この情熱と成功体験が冷めないうちに、われわれの大事な生活の充実でもいろんな工夫をし、みんなで元気に100年助け合う福井モデルをつくる。これまで一緒に頑張ってきた皆さんとともに私の手で成し遂げたい。

 杉本氏 県政のこれまでの仕事の仕方、大切な事業や政策は引き継ごうと思っているが、私は若さと行動力でギアチェンジし、スピードアップしていく自信がある。地盤も看板もカバンもない新人だから、しがらみがない。これまで32年間、公務員でやってきた。公平、公正、クリーンで当然これからもやらせてもらう。

 金元氏 福井県が発展していこうとすると、一番足かせになるのが原発。福島の事故をしっかりと教訓にしないといけない。今後、予想を超える大きな地震が起きないとは誰も保証できない。原発はやめて再生可能エネルギーにして、産業を興し、若者が働き続けられる希望のある福井県に生まれ変わらせる。

 ―知事になったら4年後の福井県はどうなっているか。

 金元氏 原発ゼロの福井を宣言することによって、世界から、日本中から注目される福井になっていくことを考えている。

 西川氏 福井県は全国から尊敬されるモデルとなる県でありたい。これまでも結果は出ているが、一層そういう県にしたい。

 杉本氏 新幹線延伸はチャンス。いろんな楽しい仕掛けがつくれる。わくわくドキドキして生活がしやすい、楽しくなるような街にできる

引用元:
福井県知事選3氏の少子化対策は 西川一誠氏、杉本達治氏、金元幸枝氏(福井新聞ONLINE)