東北大は18日、東北大東北メディカル・メガバンク機構の小原拓准教授らの研究グループが、妊婦に対する抗てんかん薬の処方について、必ずしもてんかん診療ガイドラインで推奨されている処方に沿って行われていないことを明らかにしたと発表した。妊娠の可能性がある女性に抗てんかん薬を使用する際、薬剤・用量選択などに関する啓発がより一層必要になるとの見解を示している。【新井哉】

 小原准教授と東北大病院薬剤部の眞野成康教授らのグループは、同大大学院医学系研究科てんかん学分野の中里信和教授、明治薬科大公衆衛生・疫学研究室の赤沢学教授、京都大大学院医学研究科健康情報学分野の池田靖子医師らと共同研究を行った。

 国内の妊娠前、妊娠中・出産後の抗てんかん薬処方状況について、大規模レセプトデータベースを用いて2005―16年の処方状況を評価した。その結果、▽抗てんかん薬の処方割合は妊娠初期および中期に減少する▽バルプロ酸の処方が最も多い▽妊娠初期においても600mg/日以上のバルプロ酸の処方が認められる―ことを明らかにした。

 てんかん診療ガイドライン2018では、妊娠前からリスクの少ない薬剤を選択し、発作抑制のための適切な用量調整を行うことが推奨されている。特に、他剤より先天異常発現率が高いと考えられる高用量のバルプロ酸の投与はなるべく避け、投与が必要な場合、服用量は600 mg/日以下を目指すことが記載されているという。

 今回の研究で明らかになった状況について「必ずしもガイドラインと整合しておらず、妊娠の可能性がある女性に抗てんかん薬を使用する際、薬剤・用量選択等に関して医療関係者に対するより一層の啓発が必要」としている。研究成果は、学術誌「Pharmacoepidemiology and Drug Safety」の電子版に掲載された。



引用元:
妊婦の抗てんかん薬処方、用量選択などの啓発必要 - 東北大が研究成果を発表(Yahoo!ニュース)