女性のライフプランを考えるうえで、「何歳で出産するか」は重要な項目ですよね。出産年齢に関しては、「若いうちなら体力がある」「収入が安定しているほうが安心」とさまざまな考え方があります。今回は育児における体力面や金銭面の問題を見てみましょう。
.

子連れ出勤は現実的?

2019年1月15日、少子化対策などを担当している宮腰光寛内閣府特命担当大臣は、政府が「子連れ出勤」を後押しすると表明しました。なかには、「赤ちゃんの顔が幸せそう。乳幼児は母親と一緒にいることが何よりも大事ではないか」という発言も。

たしかに子連れ出勤をすれば、親子で過ごす時間を増やすことができます。ところが、子どものお世話は想像以上にハードなもの。赤ちゃんの時期は3時間おきに授乳したり、1日に何度もオムツ替えをしたりと、やることは目白押し。ちょっとでも油断していると、乳幼児突然死症候群や窒息を起こすリスクもあります。

そのため、長時間にわたって仕事に集中するのは困難。子連れ出勤をしても、母親の負担が解消するわけではないのです。男性の育休取得率の向上や、長時間労働の解消、保育園の整備など対応策はほかにもあるはず。子連れ出勤ですべての問題が解決するわけではないでしょう。
.

ワンオペ育児で在宅勤務の1日

続いては、育児をしながら在宅で働いている女性の現状を見てみましょう。小学生、幼稚園、未就学児の3人を子育て中の方によると、試行錯誤の末に無理をし過ぎない時間の使い方にたどり着いたそうです。

まず朝6時に起床し、お弁当や朝食を作ります。小学生を送り出し、8時から少し休憩タイム。幼稚園生を送ったあと、再び短い休憩をとります。末っ子と遊んでご飯を食べさせ、昼寝をしている間に在宅の仕事。下の子が起き、上の子が帰宅する15時はおやつの時間。

夕方からは子どもとコミュニケーションをとりつつ家事をしてお風呂に。子どもがテレビを見ている間に晩ご飯を作り、仕事の続きをします。19時以降は自分の時間を過ごし、20時から寝る用意を始めるという流れです。

24時間育児に向き合わなければならない母親にとって、ワンオペ育児は多忙の毎日。ずっとエンジンをかけたままだと体が持たないので、隙間時間を利用して休憩時間を確保するのも大切。そのため、このように小刻みに体を休ませるような工夫が必要なのかもしれません。


出産年齢は金銭面に影響?

ワンオペ育児に追われたり、育児と仕事を両立させようと奮闘したり、子育て女性がハードな状況に置かれている現状は、まさに体力勝負といっても過言ではないようです。

では、体力のある20代のうちに出産しておいたほうが、育児をする上でメリットが多いのでしょうか。たしかに「子連れの移動が辛くてタクシーを利用」「体が持たないのでベビーシッターに依頼」など、体力の有無が金銭面に跳ね返ることもあるでしょう。

また、「子どもは仕事が落ち着いてから」と考えていると、妊娠しにくくなってくる30代半ばになって「なかなか授からない」というケースも。すると不妊治療費で予想外の出費になることもあります。

もちろん、それぞれの家庭の事情や考え方は様々ですから、出産はいつでなければいけないということはありません。ただ、体力や身体の変化が金銭面に影響する可能性も視野に入れておいたほうがいいでしょう。
.

まとめ

子どもを育てることは、想像以上に負担が大きいもの。自分の体調に向き合いつつ、無理のない範囲で育児に取り組み、必要に応じて周囲の助けを借りることも考えなければなりません。

残念ながら、「子連れ出勤なら、育児も仕事もスムーズにこなせる」「育児に慣れていたらワンオペも大丈夫」とは言い難い現状。より子どもを育てやすい社会を実現するためには、まだまだ課題が残されていると言えるでしょう。
.
LIMO編集部


引用元:
子連れ出勤にワンオペ育児。なぜ母親の負担が大きいの?LIMO (Yafoo!ニュース)