早期発見が治療の鍵を握る乳がん。国が自治体の定期的な検診を呼び掛ける中、2017年度に兵庫県三田市の検診を受けた女性市民の割合(受診率)は21・5%で、6年前から約2・5倍になったことが分かった。県によると、41市町で19番目。神戸市より高いが姫路市に比べると低調だ。女性の11人に1人がかかるとされ、誰も「私は大丈夫」なんて言えない。市は19年度、40歳以降だった検診対象を若年層にも拡大。20歳からエコー検査を受けられるようにし、備える意識の普及啓発にも力を入れる。

 市内に住む女性(48)は11年夏、市の乳がん検診で、右胸に腫瘍が見つかった。針を刺して組織を採取する「生検」の結果、進行程度は比較的早期の「ステージ2」と告げられた。一人息子は当時まだ中学2年。「成長を見届けられないのか、家族はどうなるのかと恐怖ばかりだった」

 その年11月に手術すると、リンパにも転移していた。放射線治療などで病状は安定したが、今も病院に通いながら病気と向き合う。

 思い返せば、母親が乳がんだったため、35歳から自主的に病院で視触診とエコー検査を受けてきた。主治医の勧めで市の検診に出向いたのが幸いした。「発見が遅れていたら、もっと進行していたかも…」と、検査の大切さをかみしめる。

  

 国立がん研究センターで最新の14年度統計によると、乳がんの罹患者は約7万6千人で女性がんの中で最も多い。ただ「5年生存率」は91・1%で胃の63%、肺の43・2%、膵臓の7・5%など他のがんに比べると高く、早期発見すれば治りやすい。国は受診率50%を目標に掲げ、マンモグラフィー検診(乳房エックス線撮影)を推進している。

 市によると、受診率は8・4%だった11年度から急上昇。集団検診を市総合福祉保健センター(川除)に加えて「えるむプラザ」(すずかけ台2)でも実施。さらに働く女性に配慮して午後7時まで受付可能な「ナイター検診」(通常午後3時半)を年3回導入したことが奏功したとみる。

 19年度以降は20歳からエコー検査を自己負担で受けられるようになる。罹患率が上がる40歳からはエコーとマンモグラフィーを併用できる。市健康増進課は「多忙だったり子どもがいたりすると、健康を二の次にしてしまいがち。自分のために受けてほしい」としている。(山脇未菜美)

引用元:
乳がん検査受診率6年で2・5倍 若年層にも対象拡大(神戸新聞NEXT)