「完璧なママや妻を目指すこと=子どもや夫、自分のためになる」と思い頑張る一方で、毎日心身ともに疲れたり、できないことがあると罪悪感を感じたり、家にいてもくつろげないと思ったりすることはありませんか。
もしかしたらそれは誰かのためというより、「不安のため」に完璧を目指しているのかもしれません。結婚当初〜1人目の産後は、「家にいてもくつろげない」と思うことが筆者にもありました。同じような心当たりのある方は、「不安と完全癖」の関係性を知っておきましょう。
頑張り過ぎで居心地の悪い家庭
一人目の産後、ワンオペ育児ゆえ育児に家事にと一人奮闘する一方で、少しでもできないことがあると罪悪感を感じることが筆者にはありました。
リビングで座ってゆったりくつろぐようなことはなく、子どものお世話や家事に1日中立ち働いている状態で、自分の時間はゼロ。今思えば、「完璧に育児や家事をしなければ」という思いにとりつかれているような状態でした。
ふと、それまでの人生を振り返り、子ども時代、大学入学後の一人暮らし、そして結婚し子育てをする今の生活を比べて、「今が一番しんどくて安らげず、居心地が悪い生活をしている」ことに気付きました。「わが家にいるのにくつろげないなんておかしい」と疑問を抱くようになったのです。
2人目、3人目と生まれてからは、だいぶ手も気も抜いて生活しています。それでも元が上記の状態ですから、手を抜くものの、心の中では葛藤があります。そんなときに目にしたのが、『0歳からはじまる子育てノート』(佐々木正美著、日本評論社)に書かれていた「不安と完全癖」という言葉でした。
不安だから、完璧を目指す
児童精神科医である佐々木氏は、「人間はもともと、すべての面で完全などあり得ません。ところが完全癖にとりつかれた人は、自分では気づかずに、ある特定のことにその癖を集中する。見ているとたいがい、育児だとか、子どもの成長などというところに完全癖が出るのですね」と指摘します。
この文を読み、「家事や育児を完璧にしようと思うのは、一人で育児をすべて担う責任感だったり、皆が普通にやっているのだから頑張ろうという気持ちもあるけれど、不安もある。自分がきちんと家庭を築き、子育てできるのかが不安だから、それを打ち消すために努力しているのだ」という気持ちに気付かされました。
多くの場合、母親はいつでも不安です。出産して「こんなに小さな人間は見たことがない」と驚き、ただ健康に育てるだけでも、大きな不安を伴います。いつでも「大切な子どもだからしっかり育ててあげたいけれど、自分の育て方で良いのだろうか」と自信がないのです。
さらにワンオペ育児となると、子どもの健康も教育も「全てママの責任」に。その不安を打ち消すために教育ママになったり、習い事をたくさんさせたり、手料理にこだわることもあるでしょう。
寂しいから、不安になる
佐々木氏は母親が不安になる原因として、育児環境の孤立も指摘します。「(孤立は)人間を潜在的に非常に不安にします。人間の本性としての集団欲求が満たされないわけですから、潜在的な不安が大きくなるわけです。不安がつのると、人は衝動的になる。同時に完全癖が出てくる」というのです。
完全癖に対して、佐々木氏は「子どもにとっては大変迷惑な話です」とも代弁しています。基本的にママは不安いっぱいで育児をしますが、些細なことでも誰かに相談したり、愚痴を言うことができれば、不安をおさえることができるでしょう。
元々人に相談するのが苦手な筆者ですが、この言葉を知ってから、小さなことでも親やママ友に話すようにしました。小さなことでも相談すると、「みんな同じような悩みを抱えている」ことも分かり、解決策も見つかり、一人で抱え込むより気が楽になりました。
自分の気持ちに素直に生きる
人とのかかわりを増やすのと同時に、自分の気持ちに素直になるようにも心がけました。不安にとらわれることなく、子どもたちの前で自分らしくいるためにです。
「今日は子どもを病院に連れて行って疲れたから、夕飯は簡単なものにしよう」「今日は嫌なことがあったから、本を読んでゆっくり過ごそう」と自分の心身も大切にし、自然な状態でいると、日常の疲れも緩和されます。そこで「今までの疲れは寝不足や物理的な疲れだけでなく、気疲れも大きかった」と気付かされました。
自分を大切するようになって初めて、「どんなに家事を頑張っても、ママが家庭で居心地悪く感じていては子どもも家で落ち着けない」ことにも気付きしました。小2の長男も、筆者が無理をして疲れていると、「ママが自分の好きなことをやってくれないと俺は悲しいよ」と言います。
ワンオペ育児で子どもを見る大人が自分しかいないからこそ、人に相談したり、自分を大切にすることが大切なのではないでしょうか。
宮野 茉莉子
引用元:
ワンオペ疲れでも完璧ママを目指すのは「不安」だから?(LIMO)