◇放射線で狙い撃ち 周産期医療も
県立中央病院(鳥取市江津)の新病棟が完成し、12日、内部が報道関係者に公開された。東部医療圏の中核病院としての機能を強化するため、がんの早期発見を目指す診断装置や、病巣をピンポイントで狙える放射線治療装置を導入。心臓病や早産などを治療する体制も充実させた。16日に開院し、17日から外来診療を始める。(田村勇雄)
新病棟の建設工事は、現在の病棟の老朽化に伴って2016年9月に着工した。鉄骨鉄筋コンクリート11階建てで、延べ床面積は約2倍の5万3090平方メートル。病床数は518床で、現行より87床増えた。
がん診療では、全身を調べて、がんの有無や位置を立体的に把握する最先端の診断装置「PET―CT」のほか、病巣に放射線を集中させる「強度変調放射線治療(IMRT)」の装置を設置した。IMRTでは従来の1、2ミリ単位から0・1ミリ単位に照射精度が高まるという。
さらに、終末期の患者や家族を支える「緩和ケア病棟」も20床新設した。
心筋梗塞こうそくや弁膜症などの治療では、外科医と内科医が連携して治療にあたる「心臓病センター」(45床)や、カテーテル(細い管)を使った血管内治療と外科手術を同時に行える「ハイブリッド手術室」を新設。術後の患者の早期回復を促すため、同センターと同じフロアにリハビリテーション室も設けた。
早産や先天異常などで重症の赤ちゃんを受け入れる「新生児集中治療室」(NICU)は現在の2倍の12床に拡充するほか、ハイリスクの妊婦を収容する「母体胎児集中治療室」(MFICU)も2床から3床に増やし、周産期の母子医療体制を手厚くする。
一方、災害拠点病院としての機能も強化する。具体的には、屋上にヘリポートを設けたほか、医療関連の設備は洪水などに備えて2階以上に配置。建物には免震構造を取り入れ、震度6強から7の揺れに耐えられるようにした。免震オイルダンパーは一時、性能が国の基準を満たさないと問題になったが、部品の調節などは全て完了した。
池口正英院長は「最新の医療が受けられ、災害などの緊急時にも対応可能な病院になった」としている。
引用元:
新病棟 がん治療充実・・・県中央病院16日開院(読売新聞)