全国健康保険協会(協会けんぽ)沖縄支部は1日、那覇市、浦添市、東京大学大学院と共同で妊婦を対象に実施した栄養状況調査の結果を発表した。葉酸やカルシウムなどの摂取量が、国の定める「食事摂取基準」の必要量を下回り、食塩の取り過ぎの傾向がみられた。調査に携わった東京大学大学院の佐々木敏教授は「妊娠中は塩分を少なめに、食事は十分に取って」と呼び掛けた。


 調査は2013年7月〜14年3月にかけて実施。那覇市と浦添市の協力を得て、親子手帳(旧母子手帳)を取るため、窓口を訪れた女性2162人を対象に食習慣などについて尋ねた。出産後のデータが得られたのは女性1865人、出生した子ども1880人。転出などで女性297人分はデータが得られなかった。

 質問の作成や結果分析は東京大学大学院と共同で行った。対象者の平均年齢は30.5歳。身長や体重のほか、直近1カ月の食習慣を食品ごとに細かく尋ねた。報告値と推定エネルギー必要量に差があり、対象者が摂取量を少なめに申告している可能性があるため、数値を補正した上で食事摂取基準と比較した。

 摂取量が必要量を下回る人の割合を算出したところ、ビタミンB1が91.1%、葉酸73.9%、マグネシウムが67.4%、カルシウムが62.3%だった。食塩は基準を超えている人が99.3%に上った。特に水溶性ビタミンの葉酸は、赤ちゃんの脳や神経をつくるのを助けるため妊娠期に重要との指摘も上がった。

 分析を担った東邦大の上地賢講師は「なるべく使う食品を増やし、多めに食べるよう心がけてほしい」とバランスよく食事を取る大切さを訴えた。



低体重児、疾病リスク/心筋梗塞など高発症


 全国健康保険協会(協会けんぽ)沖縄支部が妊婦の調査に乗り出したのは、全国と比較して割合が高い県内の低出生体重児(2500グラム未満)の原因を探るためだ。今回の調査では出生児1880人のうち、低体重は10.2%だった。1日に同支部が那覇市内で開いたシンポジウムでは、東京大学大学院の佐々木敏教授が、低出生体重児が大人になったときの病気のリスクについて言及し、警鐘を鳴らした。

 協会けんぽ沖縄支部によると、全国支部の中で就学前の入院における1人当たりの医療費が最も高いのが沖縄支部だという。高額となっている理由を調べたところ、低出生体重児が要因となっていた。出生数が県内で最も多い那覇市と、2012年度の未就学児の医療費が最も高かった浦添市の協力を得て調査を実施。調査に答えた妊婦には、分析した個人結果を送った。

 佐々木教授はシンポジウムで、これまでにも世界各地の研究で出生時の体重とさまざまな疾患の発生率に関連があるとの結果が出ていると指摘。小さく産まれた子どもは心筋梗塞になりやすいほか、糖尿病の発生率にも影響するとした。

 BMIが18.5未満のやせ型で喫煙している妊婦から低出生体重児が生まれる割合は、46%だったとの結果を紹介。「たばことやせ型が低体重に顕著に影響するということが、あらためて示された」と述べた。


引用元:
沖縄の妊婦は塩分取りすぎ 葉酸・カルシウムは不足 協会けんぽ調査(琉球新報)