夫の精子で妊娠できなかった夫婦が、やむを得ず他人の精子を使う人工授精(AID)について、慶応大病院(東京都新宿区)は29日、「(提供)精子が枯渇しない限り診療を続ける」としたうえで、国による法整備などを求める方針を明らかにした。
AIDをめぐっては、親子関係を明記した法律がなく、提供者が法的トラブルに巻き込まれる可能性がある。国内で最も多く行っている同病院では、新規のドナー(提供者)を確保できず、事業の存続が危ぶまれていた。この日、同病院の有識者会議は、「AIDの問題は本院のみで解決できることではなく、国の法整備や学会のガイドラインの確立が必要」とし、積極的な働きかけを進めることを確認した。「出自を知る権利」の法整備や社会的合意が形成されれば、その方針に従うとした。
同病院はドナーのプライバシー保護などを理由に、生まれた子どもにドナーの情報を伝えてこなかったが、海外で出自を知る権利が認められてきた状況をふまえ、昨年6月、ドナーの同意書に裁判所からの開示命令で公表の可能性がある旨を明記するなどしたところ、新規ドナーを確保できなくなっていた。
引用元:
他人の精子使う人工授精、慶応病院が法整備求める方針(朝日新聞)