•不妊の原因の半分は男性に
•40年間で精子が“危険水域”に!
•「精子力」アップのための7ポイント


男性不妊の大半は原因不明

厚生労働省が、不妊治療を受ける男性への経済的支援を拡充する方針を発表しました。
来年度から、治療1回につき15万円の助成を、初回に限って30万円に引き上げ、女性への支援と同水準にするということです。
その背景にあるのは、不妊の約半分は男性側に原因があることでしょう。(世界保健機関の調査では、不妊の48%の原因に男性が関与)
日本で不妊症に悩むカップルは6組に1組といわれています。
不妊とは、「男女が妊娠を希望し1年間、避妊することなく性交を続けているのに妊娠しない場合」(日本産科婦人科学会)。
「たった1年で不妊判定なの?」と感じるかもしれませんが、一般的な夫婦生活を行っている場合、1年以内に80%の夫婦が妊娠をしています。(2年以内では90%)

男性不妊の90%を占めるのが、精液を作る機能に問題がある「造精機能障害」。
「精子の数が少ない」「精子の運動率が低い」「精子のDNA損傷が多い」…いずれか1つが該当することもあれば3つとも該当することもあります。
そして、なぜ造精機能に障害が生じたか、大半は原因不明です。


40年で精子数が激減!

精子の数ということで言えば、衝撃的なデータがあります。
2017年に「欧米人男性の精液を約40年間調査した結果、精子濃度が52.4%、総精子数が59.3%減少した」という論文が発表され、大きな反響を呼びました。
40年間で精子の数が6割も減少!
この研究には、アジア人の精液データは含まれていませんが、実は日本人の精液データは、欧州各国と比べても最低レベルにあるとの報告もあります。
有名人が60代や70代で父親になったというニュースを耳にすると、「いくつになっても男性は子どもが作れる」と思いがちです。
しかし、最近の研究によって、男性も35歳を過ぎてくると、精子の「妊娠させる力」=「精子力」が落ちてくるということが分かってきたのです。





7ポイントで「精子力」をアップ!

35歳を越えた男性が妊娠を望むなら、自身の「精子力」を高めることが大切です。

「精子力」とは、つまりは精子の数・運動率・正常形態率の3要素。
そして、日々の生活習慣を見直すことで「精子力」を改善できると言われています。
妊娠を考えている時には、以下の7点を心がけてみましょう。

@禁欲しない
「精子をたくさん溜めてから射精したほうがいいのでは」…は誤解です。
実は、男性の体内での精子の生存期間はおよそ3日。それ以上ためると、死滅精子(非運動精子)が増えてしまいます。
古い精子は、新しい精子を痛めつけ、精液全体の質を下げます。
新しく元気のいい精子が次々と送り出されるほうが、妊娠には有利です。
マスターベーションでいいので、溜めずに射精することが元気な精子を保つポイントです。

A自転車に乗る時は注意
長時間、自転車に乗ると、サドルの圧迫によって男性器付近の血流が悪くなり、EDや精子の減少、運動率の低下を招く恐れがあります。
股間を保護するようなサドルに変えたり、たびたび腰を浮かせて会陰の血流を確保しましょう。

Bトランクスがお薦め 「陰嚢冷却」シートも!
睾丸がぶらぶらしているのは、熱を上げないようにするため。
精巣の温度が高くなる状態を避けることは、「精子力」アップの基本です。
人の体温は36〜37℃ですが、精巣の機能を保つには32〜35℃が理想的です。
ブリーフは股間に熱がこもりやすいため、風通しのいいトランクスが最適。
ぴっちりしたジーンズ等も、長時間はくのは避けるのが無難です。
最近では、陰嚢の温度上昇を予防するための「陰嚢冷却シート」や「陰嚢冷却下着」も発売されています。





CノートPCやパッドは膝の上で使わない
ノートPC等を膝の上で操作すると、パソコンからの放熱で、陰嚢の温度上昇を招きます。
長風呂やサウナも、ほどほどに…。

D長時間座り続けず、下半身の「放熱」を
座り続けることで陰嚢が圧迫され、血流が悪くなり、陰嚢周辺に熱がこもります。
仕事などで長時間座ることが多い方などは、1時間に1度は立ち上がって下半身の「放熱」をしましょう。
また、肥満があると太ももとの接触で陰嚢に熱がこもりやすくなります。適正体重を心がけましょう。

E育毛剤に気をつける
AGA(男性型脱毛症)の治療薬で、フィナステリドを主成分とする治療薬には注意しましょう。
男性ホルモンの作用を抑える働きがあり、精液の状態を悪化させる可能性あります。
また副作用として、性欲減退や精子数の減少、EDなどが指摘されています。

F禁煙
喫煙による酸化ストレスが、精子のDNA構造を傷つけることがわかってきました。
ペニスの海綿体への血流も悪くなって、EDの原因になることもあります。

――ちなみに、ウナギや牡蠣、スッポンといった食材や、いわゆる精力増強が期待できるとされる商品がたくさんありますが、これらの効果は科学的には証明されていません。


時間を失わないためには受診を

不妊に悩み、女性の検査や治療ばかり長年続けても赤ちゃんを授からず、ようやく男性の検査をして精子に原因があると分かったときには、夫婦ともに年齢を重ねてしまっていた…というケースも実際にあります。
不妊治療は、女性だけではなく、「男女2人の問題」という意識を持つことが肝要です。
自分の精液の状態が気になる男性は、勇気を持って、まずは専門医のもとで精液検査を受けてみましょう。


日本橋ウィメンズクリニック
清水 真弓(医学博士)


引用元:
日本人の「精子力」が危ない!! 禁欲はNG! 下半身の「放熱」を(www.fnn.jp)