県内の若者の結婚に関する意識調査で、既婚女性が結婚生活を幸せだと感じているほど、女性が生涯に産む子どもの数が増える傾向にあることが分かった。生活において、仕事と家庭の両立を最も重視していることも明らかになった。

 調査は県が静岡大と協力して、昨年秋に全35市町の20〜39歳の男女2万人を対象に行った。4931人から回答があり、うち必要な回答項目を満たしていた4071人について同大が分析した。

 1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率と、既婚者の「現在の結婚生活は幸福だ」とする回答を比較したところ、女性の幸福度が高いほど出生率も高くなる相関関係が認められた。これに対し、男性の幸福度は出生率にほとんど影響していなかった。



◆「結婚支援」は低く

 生活にとって重要な要素を15項目あげて尋ねたところ、性別や既婚・未婚を問わず、「労働と余暇のバランスがとれ、自身や家庭の時間が確保できること」を重視する回答が最も多かった。

 このほか、「住居に要する費用」「急病時に受診できる医療機関」「失業の不安がない」「仕事しながら子育てしやすい環境」なども重要項目としてあがった。

 逆に「市町や職場での独身者への結婚支援」は重要度が低かった。男女の出会いを目的としたイベントやマッチングサービスについては独身者の6割近くが「利用したいと思わない」と答えた。

◆地域ごとの特性も

 調査では、「伊豆半島南部は医療体制への満足度が低い」「県東部では住居費用の負担感が強い」といった地域ごとの特性が浮き彫りになった。

 一方、居住している市町での生活の満足度が高いほど、結婚生活の幸福度や、未婚者の結婚に対する関心度が高くなることも分かった。県は、ワーク・ライフ・バランスなどの満足度向上に取り組むことが、結果的に出生率の引き上げにつながるとみて、市町と連携して効果的な少子化対策を模索していく考えだ。


引用元:
既婚女性「幸せ」→出産増…出生率と相関関係 静岡 (読売新聞)