乳がんで命を落とした、さくらももこさん(53)。
乳がんは、日本では死亡率が年々上昇していることが問題となっています。
1人でも多くの命を救うためには、どうすればいいのでしょうか。
8月15日に帰らぬ人となった、国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」の作者・さくらももこさん。
死因は、乳がんだった。
女性の11人に1人がかかるといわれる乳がんだが、その死亡率は、年々上昇している。
街の人は、「ショックでした。若くて乳がんっていうのは」と話した。
早期に発見できれば、9割が助かるといわれている乳がん。
にもかかわらず、死亡率が上昇している理由の1つが、その検診率の低さ。
街で聞いてみると...。
32歳女性「(乳がん検診は)受けたり、受けなかったり。2年に1回くらいです。マンモグラフィーでしたっけ? 受けたことはないです、痛そうだから」
45歳女性「シングルママなんで、休みをとってまで費やすのが、ちょっとできなかったから、今まで受けたことがないです」
受診率を海外と比べても、トップのアメリカと比べると、日本はおよそ半分。
先進国では、最下位。
29日、乳がんなどの検診を行っているクリニック「新宿ロイヤル診療所」を訪ねた。
40代受診者
「乳がんは、早期発見されれば、割と治る確率が高いと聞いたので、それだったらきちんと検査して、早いうちに治してしまおうかなと思って」
40代受診者
「30(歳)から受けた方がいいと言われて、ずっと受けている」
「(マンモグラフィーとエコー、どちらですか?)エコー。(マンモグラフィーは受けたことありますか?)受けたことない」、「前に友達が(マンモ検査を)受けて、痛いって聞いて」
毎年受診しているという女性でさえ、痛いという理由で、マンモグラフィー検査は受けていなかった。
しかし近年、東北大学の超音波による検査や、広島大学の携帯型検査など、痛みをともなわない乳がん検査の技術が進化。
横たわるだけで検査できる「マンモPET」のように、すでに実用化されている技術もある。
厚労省は現在、40歳以上の女性に乳がん検診を推奨しているが、現場からは、こんな指摘も。
新宿ロイヤル診療所・行武裕隆所長は、「乳がんの場合は、(国が受診を推奨するのが)40歳以上ということになっていますが、今は、すごく若年から発症することが多いので。20代の方もいますし、全体的に発症年齢は下がってきています。ここ10年で、かなり増えていると言われています」と語る。
これまで、40歳以上の発症が多いとされてきた乳がんだが、20代・30代の患者数は、いずれも増加。
発症の若年化が進んでいるとされている。
新宿ロイヤル診療所・行武所長は、「(理由の)1つは食生活。ライフスタイルの変化もあると思う。高脂肪食をとったり、肥満の方などは、リスクが高くなります」と語った。
重要性を増す、早くからの検診。
その検診率アップにつながるある情報が、今、ツイッターで5万リツイートされるなど話題になっている。
その名も、「マンモグラフィー・サンデー」。
平日には病院に行けない女性のために、10月の第3日曜日に乳がん検診を行うというこの試み。
およそ400カ所の医療施設が賛同している。
街の女性たちは、検診率アップのために、どのようなことを望んでいるのか。
49歳女性「学校とか職場とかの単位で、もう少し社会が後押ししてくれるような検診システムがあるといいなと思います」
44歳女性「婦人科に行くこと自体が、多分みんな、抵抗あったりもするので」
日本乳がん学会によると、乳がんが見つかった人のうち、およそ半分の人が自分で発見。
セルフチェックも重要。
新宿ロイヤル診療所・行武所長は「特に乳がんについて言いますと、自分が一番の主治医だと思うんです。乳がんの場合は、だいたい乳房の外側の上4分の1、そこが約50%発生すると言われています」、「そこを中心に、少なくとも1日1回、自分で触ってチェックすることが大事だと思う」などと話した。
早期発見に向けた社会全体の意識改革が求められている。
がんで亡くなった女性のうち、40代・50代では、実に3割近くの人が乳がんで亡くなっていることがわかる。
多くの自治体で40歳以上の女性は、定期的に乳がん検診が受けられるようになっているが、40代・50代というと、仕事や家事、育児の真っ最中の人も多く、医療機関が開いている時になかなか行けない、子どもを預けられないなど、検査を受けたいのに受診できない人も多くいる。
今後、行政には、さらなるよりよい環境作りが求められる。
引用元:
「乳がん」受診 先進国で最下位 若年での発症増加(www.fnn.jp)