「卵子買います」…韓国女子大の至る所に”卵子売買”

先月23日、韓国・ソウル市内のA女子大に通う金さん(23)は、学生会館の化粧室に入るなり驚いて声をあげた。「卵子を寄贈してくれる方を探しています」というタイトルの掲示物が化粧室のドアに貼られていたためだ。

要約すると「不妊で子供のいない我々夫婦のため、寄贈してくださる方を探しております。排卵注射を受けてくださる韓国人の若い女性であればどなたでも大丈夫です」という内容で、最後は「十分な謝礼をお支払いします」という一言で結ばれていた。金さんは「映画などの世界だけで見る卵子売買の一端を、日常に覗いたようで怖かった。女子大が卵子集団として見られているようで不快だった」と話した。

■「掲示物を発見したのは初めてじゃない…不法にさらされる不安」
大学及び情報提供者によると、A女子大で乱視売買の掲示物が見つかったのは今回が初めてではない。過去6月5日にも同様の書き込みが校内で発見され、学生らの間では「金銭の絡む卵子売買は不法。これは申告しなければならないのでは」との議論が巻き起こった。

時期を同じくして、近隣のB女子大でも同様の掲示物が見つかった。6月10日、B女子大の化粧室で発見されたものを含め計3カ所で見つかった掲示物は、内容や連絡先などが全て一致していることが分かった。

生命倫理や安全問題などの観点から、現行の法律は金銭のやり取りを伴う卵子及び精子の売買を禁止している。掲載文の内容にあるよう謝礼を受け取るのであれば、これは明らかな不法行為だ。

問題は、大学生を対象に不法取引を促す文章が堂々と掲載されているという点だ。A女子大に通うオさん(24)は「女性だという理由でこのような不法行為にさらされていることに恐怖を感じる。よく分からずうっかり連絡してしまう人もいそうで不安だ」と話した。

学校関係者は「この内容に関して学生から相談を受けたことはないが、事の経緯を知った以上、今後は注意深く状況を見守りたい」と語った。

■闇市場の活性化…「取り締まり困難」
卵子の不法売買事例は依然として後を絶たないが、闇市場にはさらに根深い問題があると専門からは語る。

保健福祉部の参加である国家生命倫理政策院が、不法生殖細胞についてオンラインモニタリングを実施した’卵子売買違反の現状’(年度別)によると、2015年は294件、2016年は131件と減少したが、2017年には266件と再び増加した。

保健福祉部は、不法取引を持ちかける書き込みが掲示されたサイトなどについて、放送通信委員会へ当該文の削除やサイト是正要請を行うといった措置を取っている。

しかし国家生命倫理制作事務総長であるキム・ミョンヒ氏は「事前に取り締まることができるのは、開かれたオンラインサイトへの書き込みだけだ。会員制サイトやオフライン、血縁間取引など裏で行われている取引は数多くある」と話す。

このように政府が取り締まりに手を焼いているという点も闇市場の活性化に一役買っている。不妊協会のある関係者は「卵子取引は違法であるにも関わらず、処罰や取り締まりの体系がまた整っておらず、市場はますます活性化してしまっている」と主張した。

たとえ警察に届け出ても現行犯の場合のみ捜査が可能であるため、事前の取り締まりは難しい。また、捜査が開始したとしても卵子の需要者は処罰対象とならず、前述のような書き込みに対し提供者として応じることで罪に問われる可能性がある。

金事務総長は「卵子売買の過程で、提供者の女性が受ける排卵誘発注射は大変危険な副作用を伴う。これは当然、国が管理しなければならないことだが、あまりにも事例が多いため人手も不足しており現実的に容易ではない」と説明した。

翻訳者:M.I
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引用元:
「卵子買います」…韓国女子大の至る所に”卵子売買”(fnnews.jp)