首都圏で風疹の患者が増える中、川崎市が予防接種を呼び掛ける缶バッジを妊婦に配っている。妊婦にバッジを身に着けてもらい、周辺にいる人や、患者が多い中高年男性などに検査と予防接種を受けるよう促すのが狙い。 (大平樹)


 風疹は、妊娠中に感染すると、胎児が難聴や白内障になるリスクがあるとされる。市内の患者数は過去三年、一けたで推移してきたが、九日時点で十七人。


 市感染症対策課によると、缶バッジは、首都圏で患者が増える以前の六月に七百個作製。母子手帳を交付する際、妊婦に無料で渡している。


 フクロウのようなキャラクターのイラスト「まえにさん」に、妊娠前の風疹検査を呼び掛ける文言を添えた。同封のチラシは、風疹に対する免疫検査は無料で、予防接種は自己負担三千二百円で受けられると伝えている。


 胎児に影響が出るため妊婦は受けられないが、母子手帳を配る際に呼び掛ける狙いを、同課の担当者は「第二子、第三子を望む人は、出産後に受けるべきだ。夫やパートナーも感染リスクを知ってほしい」と説明。予防接種は本来約一万円かかるが、市民には市が独自で補助している。全国的に流行した二〇一三年以降、市民約三万人が予防接種した。


 感染症に詳しい市健康安全研究所の岡部信彦所長によると、風疹は約三八度の熱と発疹が同時に四〜五日続く。「三日ばしか」とも呼ばれ、四〇度近い熱が出るはしかに比べて症状が軽く、安静にしていれば治りは早い。一方で、出勤できないほど症状が重くないこともあり、職場で感染する人が多い特徴がある。


 国内では、免疫を確実につけるため、一歳と小学校入学前の二回予防接種する制度が〇六年四月に始まった。これ以前は免疫が不十分な人もいるとみられ、今年の患者は男性が約八割を占める。中でも四十代が最も多い。岡部所長は「風疹は次の世代への影響が大きく、長い目で見たら根絶したい病気だ。流行していない時も予防接種を勧めていきたい」と話した。


引用元:
妊婦に風疹啓発バッジ 川崎市、母子手帳と一緒に配布(東京新聞)