京都大霊長類研究所の今村公紀助教らのグループは、ニホンザルのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を世界で初めて作製して神経幹細胞に誘導することに成功したと発表した。霊長類の脳神経基盤の解明や進化の過程、ヒトとサルの違いを解き明かす手がかりになるという。成果は15日、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に掲載された。
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グループは、ニホンザルの生後6日の赤ちゃんと21歳の成体(どちらも雌)の皮膚細胞由来の細胞に、初期化する遺伝子を発現させてiPS細胞を作製。これに神経系の発生を促す2種類の薬剤を添加したところ、神経幹細胞の分化誘導に成功し、続けて培養すると神経細胞(ニューロン)になった。ヒトでの作製方法と似ているが、培養条件などが異なる。
日本固有の霊長類であるニホンザルは我慢強く器用で学習能力が高いことから、認知・運動機能をつかさどる脳神経基盤を解明するためのモデル動物として脳神経科学の分野で研究されてきた。一方で、倫理的・技術的問題から、ニホンザルの遺伝子の改変は難しく、発生や遺伝子基盤の研究ができなかった。
今回の成果により、遺伝子や細胞のレベルでの解明が可能となり、ヒトとの比較解析も進むという。
今村助教は「ニホンザルをモデルに、さまざまな霊長類のiPS細胞を用いることで、霊長類全体の進化の研究に役立つ」としている。【菅沼舞】
引用元:
京大 ニホンザルのiPS細胞作製 神経幹細胞誘導に成功(毎日新聞)