妊娠第1トリメスター(妊娠初期)にHbA1c値が高い女性は、その後に妊娠糖尿病(GDM)を発症するリスクが高い可能性があることが、「Scientific Reports」8月16日オンライン版に掲載の論文で報告された。
米国立衛生研究所(NIH)のStefanie N. Hinkle氏らは、米国内12施設から登録した女性2,802人を対象としたコホート研究(Fetal Growth Studies-Singleton Cohort)のデータを用いて、妊娠第1トリメスターのHbA1c値とその後のGDM発症との関連を検討した。GDMを発症した女性107人と年齢や人種、妊娠週数をマッチさせた対照群214人を対象に、妊娠8〜13週(第1トリメスター)、16〜22週、24〜29週および34〜37週にHbA1c値を測定し、比較検討した。登録時にHbA1c値が6.5%以上だった女性や異常ヘモグロビン症の女性は解析から除外し、最終的にGDMを発症した100人と対照群211人が解析対象となった。
検討の結果、GDMを発症した群は対照群に比べて、第1トリメスターのHbA1c値は有意に高いことが分かった(5.3%対5.1%、P≦0.001)。このHbA1c値の群間差は、妊娠期間を通じて有意に保たれていた。また、妊娠第1トリメスターのHbA1c値が0.1%上昇するごとに、GDMの発症リスクは22%有意に上昇することも明らかになった(調整後オッズ比1.22,95%信頼区間1.09〜1.36、P<0.001)。さらに、従来のリスク因子(年齢や人種、糖尿病の家族歴、妊娠前の肥満や過体重など)に第1トリメスターのHbA1c値を加味すると、GDM発症の予測能は有意に向上した(ROC曲線下面積:0.59対0.65、P=0.04)。
以上の結果から、Hinkle氏らは「GDMを発症する女性は、妊娠初期あるいは妊娠前の段階から糖代謝の恒常性が維持されなくなっている可能性があり、それが第1トリメスターのHbA1c値の上昇に反映されていると考えられる。第1トリメスターのHbA1c値は、GDMの早期発見に有用な指標となる可能性がある」と結論づけている。
引用元:
妊娠初期のHbA1c値が妊娠糖尿病の発症予測に有用(糖尿病リソースガイド)