■40代での出産はどんどん伸びている
出生率が全体的に下がる中、高齢で出産する人の実数は増えています。出生数の伸び率は若い人では下がっていますが、上の年齢層ほど増えているのです。
2016年における全国の統計(厚生労働省「人口動態調査」)を見てみますと、40代の出産は5万4824件となっています。これを、今最も出産している年齢層が生まれた頃にあたる1980年と比較してみると、何と7.6倍も増加しています。
■40代はじめの妊娠力は、まだ30代最後に近い
この年代でもっとも厳しいのは、妊娠率の低下という問題です。妊娠率は30代後半から目立って下がってきますが、40代では一段と下がり、中頃には妊娠はごく稀となります。1年が貴重な時間で、1年前に妊娠できそうだった人が今年はもう卵が反応しないということが起きます。
それでも40代はじめでしたら、40になったからといって劇的に妊娠力が落ちるわけではありません。体外受精も、42歳くらいまではトライする人が多いでしょう。成功率は若い人よりかなり低くて数%になりますが、それでもパッと妊娠してしまう人もいます。数回繰り返した場合の累積妊娠率は、数割にまで上がります。
■40代半ばの妊娠はスペシャルな妊娠
これが43歳、44歳となると、たとえ希望は捨てないとしても、夫婦だけで生きていく人生について考えていきたい時期です。
それでも決して確率が0ではないわけです。もし、この年齢で子どもを産める人、産もうとする人は、きっと両親も赤ちゃんも特に生命力に富んだ人に違いありません。ただ、とてもスペシャルな妊娠だということです。
■40代の流産は2〜3割というところ
40代は流産も増えますから、もしかしたら、せっかくの妊娠がそうなってしまうかもしれません。40代ともなると、出産できた人も、聞けば一度か二度はそういう経験を経ている人が多いようです。
流産はショックを受けますが、若い人でも10人に1人はあり、まして40代となれば受け容れなければなりません。自然の宿命です。体外受精で妊娠した人のデータを見ると、流産は30代半ばから増えてきて、40歳では3割くらい。45歳になると6割を超えます。流産の原因のほとんどは赤ちゃんがもともと持っている染色体異常で、防ぎようがありません。
■40代は染色体異常の発生率が高くなる
また、無事妊娠が成立したあとも、赤ちゃんの染色体異常が心配になるかもしれません。40代は若い人よりその発生率が高くなります(40歳で100人に1人程度)。羊水検査は染色体異常の有無がほぼ正確にわかりますが、せっかく妊娠した命を大切にしたいと思うものだし、検査には流産のリスクもありますので、多くの人がとても迷います。
2013年から始まったNIPT(新型出生前診断)は、血液検査で流産の心配がない検査です。陽性と出ても確定診断にはなりませんが、羊水検査を考えている場合は、まずこの検査を受けてみるのもひとつの選択肢です。胎児超音波の専門医に診てもらう方法もあります。
■40代の妊娠・出産に対して、心の中で不安を大きくしないで
40代の妊娠生活は、こうしたハードルをクリアしていくことになります。そのためか、傍目には元気そうにしていても、やはり心の中では不安の大きい方が多いようです。
でも、心配しているときりがありません。妊娠できて流産もなかったらそれだけの力が赤ちゃんにあったということで、問題なく産めてしまう可能性も大いにあります。悪い未来ばかり想像するのは意味がないことです。明るい気持ちで40代出産を乗り越える人は、自分に自信を持つようにしている人です。
■参考文献
卵子老化の真実(2013年・文春新書)
(文:河合 蘭(妊娠・出産ガイド))
引用元:
知っておくべき!40代の「妊娠・出産」リスク(ニフティーニュース)