猛暑の中、熱中症ばかりに注目が集まるが、危険な感染症がひそかに広がっている。風疹だ。首都圏を中心に拡大をみせ、インバウンド(訪日外国客)を含め人の往来が激しい夏休みシーズンだけに、パンデミック(広範囲での流行)の恐れもある。妊婦が罹患(りかん)すると重大なケースを引き起こしかねず、専門家は警戒を呼びかけている。
「この時期は、多くの人の往来が見込まれることから、今後、全国的に感染が拡大する可能性があります」
風疹の感染拡大を懸念した厚生労働省は先日、都道府県などの自治体にこう緊急通達した。7月23日から8月5日の2週間だけで38人の患者が発生(全国の医療機関を対象に調査)。ここ数年の年間患者数の3分の1に該当し、首都圏を中心に広まっているという。
風疹ウイルスにかかると、2〜3週間の潜伏期間を経て微熱や赤いプツプツとした発疹、リンパ節の腫れなどの症状が出る。感染者のせきや会話したときの飛沫(ひまつ)で感染する。
厚労省ではホームページなどで、「成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛になるなど小児より重症化することがあり、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療を要することもある」などと注意喚起している。
特に注意すべきは妊婦で、妊娠中に感染すると、子供が「先天性風疹症候群(CRS)」になる可能性があり、心疾患や難聴、白内障などの障害を抱えて生まれる恐れがある。
風疹はワクチンの接種で予防することができることから、現在では1歳児、小学校入学前1年間の幼児期の2回、ワクチンの定期接種が行われている。
だが、1979年4月1日以前に生まれた男性はその対象から外れており、90年4月1日以前に生まれた男性も1回のみ対象だった。そのため厚労省では、30代から50代の男性の2割程度が、風疹に対する免疫力が低いとみている。
2013年には1万4344人が罹患し、その多くが20代後半から40代後半の男性だった。この影響で妊婦にも感染し、CRSの患者は45人を数えた。そもそも妊娠中にはワクチンを接種できない。
山野医療専門学校副校長で医学博士の中原英臣氏は「特に妊娠10週までの妊婦はCRSに気をつけた方がいい。今は夏休みなので空港などの人混みもなるべく避けること」と指摘。予防のため、さらに人にうつさないために、この時期、注意してもしすぎることはない。
引用元:
首都圏直撃!「風疹」パンデミックの恐れ 2週間で患者38人 妊婦は特に人混み避けて(ZAKZAK)