厚生労働省は、医薬品・医療機器等安全性情報を公表した。タクロリムス水和物など免疫抑制剤3剤について、妊婦らに対する投与の可否の判断を慎重に行うよう求めている。

対象となる免疫抑制剤は、タクロリムス水和物とシクロスポリン、アザチオプリン。この3剤を巡っては、厚労省が7月10日、添付文書の禁忌の項から「妊婦、または妊娠している可能性のある婦人」の削除を求める通知を日本製薬団体連合会に出していた。

 医薬品・医療機器等安全性情報では、今回の添付文書の改訂は、妊婦や妊娠の可能性のある女性に対して一律に禁止とされていた免疫抑制剤の服用を「無条件に行えるようにするものではない」と強調。また、3剤を処方する医師が病状などを観察し、治療上の有益性や危険性を十分に考慮した上で、「投与の可否を慎重に判断していただく必要がある」と指摘している。

 この3剤は通常、臓器移植における拒絶反応の抑制などに用いられるが、動物実験で胎児に奇形が生じる催奇形性の作用などが報告されたことを受け、当初の添付文書では「妊婦、または妊娠している可能性のある婦人」への投与は禁忌とされていた。

 しかし、海外の疫学研究の結果では、免疫抑制剤を投与された妊婦に胎児の先天奇形の発生率が有意に上昇したという報告がないほか、国内外のガイドラインで3剤は妊娠中でも使用可能な医薬品とされている。また、海外の添付文書で妊婦への投与は基本的に禁忌とされていない。

 そのため、薬事・食品衛生審議会の医薬品等安全対策部会「安全対策調査会」の議論の結果などを踏まえ、厚労省は添付文書を改訂することが妥当だと判断した。

引用元:
免疫抑制の3剤、妊婦への投与は「慎重に判断を」 厚労省、医薬品・医療機器安全性情報を公表