◇直島町在住 まつざきさん出版

 直島町在住の漫画家まつざきしおりさん(31)の新作「3才児みーたんは容赦しない」が、KADOKAWAから出版された。〈主人公〉は、今は4歳の長女みーたん。何気ない日常から飛び出す子どもならではのユニークな言動が満載だ。育児の悩みや出産秘話も盛り込み「子育てには大変なこともあるけど、読んで笑って育児を楽しんでもらえたら」と話している。(岸田藍)

 ◇長女のユニークな言動満載

 「父さんとお風呂入ってあげたら?」「ええ〜っ どうしよかな……」

 「かあしゃん、ちょっとだけあしょんで(遊んで)あげていいよ」

父親への素っ気ない対応を描いた4コマ作品((c)まつざきしおり/KADOKAWA)
父親への素っ気ない対応を描いた4コマ作品((c)まつざきしおり/KADOKAWA)


 父親(39)への素っ気ない〈塩対応〉、悪気なく吐く大胆発言など、「ネタの宝庫」というみーたんとの日常を、1コマや4コマなどでつづった。

 まつざきさんは大阪でOL生活を送っていたが、慌ただしい日々に疲れ果て、2011年、観光で訪れたことのある直島に移住した。友人と2人で古民家で暮らした日々を漫画に描き、「直島古民家シェア暮らし」(KADOKAWA)として出版。都会暮らしとのギャップの面白さなどが話題を呼んだ。

 島の男性と結婚し、みーたんを授かったまつざきさん。島の観光大使も務めながら、島暮らしを漫画にしてブログやSNSで発信し続けている。中でも画像共有サービス「インスタグラム」でのみーたんを題材にした投稿は好評で、読者の反応「いいね!」が170万件に上るときも。その人気が注目され、書籍化が決まった。

 2〜3歳頃までの育児記録を中心に、深夜に陣痛が始まり、海上タクシーで岡山県内の病院に向かった出産体験も描いている。

 爆笑話だけではない。育児で一番悩んだというトイレトレーニングのエピソードでは、トイレができずに大泣きするみーたんを見て、幼いなりに葛藤を抱いている姿に胸を痛めたことを素直につづった。

 悩みを笑いに転化しながら試行錯誤の日々を投稿するうち、読者からの励ましや共感のコメントも届き、「自分だけじゃないんだ」と救われた思いになったという。

 まつざきさんは「育児は大変なことが9割だけど、その中に面白い瞬間がたくさんある。娘の今後の成長も楽しみです」と話す。

 A5判一部カラーで208ページ。税込み1188円。全国の書店で販売している。


引用元:
育児漫画 笑い容赦なし (読売新聞)