難治性の卵巣がんが、免疫細胞に破壊されずに増殖する仕組みの一端を解明したと、京都大のチームが発表した。新たな治療薬の開発につながる可能性があるという。論文が国際電子版科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。

国の統計によると、卵巣がんは毎年約1万人が新たに発症。発見時には既に腹膜などへ転移して完治が難しいケースも多く、死亡者は年約5000人に上る。

 チームの滝真奈医師(産婦人科)らは、患者のがん細胞で活発に働く「Snail(スネイル)」という遺伝子に着目し、マウスや人の卵巣がん細胞を用いて実験。この遺伝子が活発に働くと、がん細胞が2種類のたんぱく質を出して免疫反応を抑える細胞を呼び寄せ、破壊を免れていることが判明した。

 また、卵巣がんのマウスに2種類のたんぱく質の働きを邪魔する化合物を投与すると、がんの増殖が抑えられた。

 この化合物は現在、肺疾患などの治療薬として製薬会社が臨床試験を実施中。滝医師は「将来、比較的安価で患者にとってメリットが大きい治療薬になる可能性がある」と話している。


引用元:
卵巣がん、増殖のしくみ解明…京都大チーム(読売新聞)