「母原病」という言葉をきいたことがありますか?
小児科の医師が書いた「母原病」という本が1979年に出版されました。
母原病―母親が原因でふえる子どもの異常 (1979年)
サブタイトルには、「母親が原因でふえる子供の異常」と書かれており、著書のなかには「育児の中心的役割を果たしている母親が原因と思われる病気」や、「文明や環境で母親の育児が変わったことによる病気」などが書かれています。
その内容から、「母親をますます追い詰める」という意見もあり賛否両論がある本で、個人的にはどこまでを信じていいのかはわかりません。
ただ、助産師としてこれまで多くのママと接していく中で、赤ちゃんとのかかわりを見ていると、「もっと赤ちゃんの力を信じてあげてほしいな」と思うことがよくあります。
今日は、“赤ちゃんの力を引き出せる育児”についてお伝えします。
【INDEX】
▼「赤ちゃんの食べたい意欲」を引き出すためには
▼「おっぱいを飲みたくなる力」を引き出すためには
▼「赤ちゃんが泣けるように」するためには
▼ママだからできることがある
▼「赤ちゃんの食べたい意欲」を引き出すためには
たとえば、食が細くて体重の増えない赤ちゃんについて。
離乳食が始まり、小児科医や栄養士の指導で「もっと食べさせるように」と言われ続けているうちに、追い詰められていくママがいます。
なかには、泣きながら「なんで食べてくれないの?食べてくれないから、私はみんなに怒られるんだよ」「がんばってお母さんしているのに!」とママがイライラしながら食べさせているうちに、離乳食を見るだけでおびえる子もいます。
ママが楽しそうに食べているのを見せていれば、子どもは「食べることは楽しい」と覚えます。そのことで、子ども自身がもっている“食べたい意欲”を引き出すことができるのです。
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まずはこの食べたい欲求を引き出してあげてほしいと筆者は思います。
▼「おっぱいを飲みたくなる力」を引き出すためには
たとえば、上手におっぱいが吸えない赤ちゃん。
うまく吸えないからと、「かわいそう」「足りないのね」と大量のミルクを飲ませ続けたら、おなかがいっぱいになった赤ちゃんはおっぱいの飲み方を忘れるかもしれません。
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もしかしたら赤ちゃんは、初めての経験で戸惑っているだけかもしれないし、根気よく練習したいのかもしれません。
もしかしたら「ママ、もう少し待って、そんなに早く諦めないで」と思っているかもしれません。
赤ちゃんが「おっぱいを飲みたくなる力」を引き出してあげてほしいと筆者は思います。
▼「赤ちゃんが泣けるように」するためには
たとえば、赤ちゃんの泣き声が怖いママ。
泣くたびに、「泣いたらダメ」「泣かないで」と、少し泣くだけでミルクを飲ませて泣きやませたら、赤ちゃんは「泣く体験」ができません。
羊水の中では練習できなかった呼吸や泣くことを覚えることも、赤ちゃんにとっては生きる上での大切な経験です。
赤ちゃんが泣くことや、呼吸の練習をさせてあげてほしいと筆者は思います。
▼ママだからできることがある
どのママも一生懸命にがんばって育児しているのは事実で、決してママが間違っているわけではないはずです。
でも、心配だからとあれこれ先に手を出してしまったら、子ども自身の生きる力が引き出せないかもしれない。
「赤ちゃんの生命力はすごい」「この子には力がある」と、ただ信じてあげてほしい。
食べなくても、上手に飲めなくても、泣き続けていたとしても、「そのままのあなたで大丈夫だよ」と、ぎゅっと抱きしめてあげるだけでいいときもある。
ママのおなかの中にいた赤ちゃん。ママが与える安心感は絶大なのですから。
引用元:
「赤ちゃんの力」を引き出す育児、していますか?(It Mama)