子ども本位の施策を

少子化対策の柱の一つである国の「子ども・子育て支援新制度」がスタートして4年目を迎えた。新制度に乗り、佐賀県内にも「小規模保育所」などこれまでなかった新しいタイプの保育所が整備されてきた。さまざまな国政課題の中でも、少子化対策は最優先事項。新制度の成熟を見守り、課題があれば社会全体で解決策を考えたい。

 子ども・子育て支援新制度は、2012年8月に成立した「子ども・子育て支援法」に基づき、15年4月にスタート。その一つとして、新たに登場したのが「小規模保育所」だ。

 小規模保育所の特徴は、定数「20人」以上が条件の認可保育所と違い、6〜19人でも開設できること。さらに、都道府県知事の認可ではなく、市町村の認可で済む。

 ただし、園児の年齢が0〜2歳に限定されている。それは、待機児童の大半が0〜2歳児であるためだ。佐賀市によると、今年3月末時点の待機児童99人のうち、0〜2歳児が98人を占める。

 既存の認可保育所は保育士確保の面から定員増は難しく、解決策の一つとして小規模保育所が登場した。園児1人当たりの保育室の面積、必要な保育士の数などの基準は認可保育所と同じだが、認可保育所に比べれば開設へのハードルは低い。開設に際しては建物の改修費補助など公的助成があり、運営についても認可保育所と同じ支援を受けられる。保育に携わってきた人が関心を持ち、開設が進んでいるようだ。最も数が多い佐賀市を見ると、15年度に8園だったのが、16年度に11園、17年度は18園に増えた。

 昨年6月、佐賀市多布施南に開設された小規模保育園「なないろ」(龍正人園長)は空き店舗を改修し賃借している。定員18人に対し、初年度は0歳児1人、1歳児6人、2歳児2人の計9人でスタート。保育士は0歳児2人、1歳児1人、2歳児1人に、全体を見るスタッフ1、2人を加え、合計5、6人を配置。龍園長は「一人一人の個性に合わせた保育をやりたかった」と言い、スタッフも「時間に追われず、一人一人のペースに合わせてやれる」と語る。

 一方、保護者は卒園時に、子どもを再び別の保育所に預けなければならない。卒園後の受け皿として認可保育所や幼稚園などを小規模保育所の「連携施設」とし、優先して入園できるよう配慮されているが、「本当に大丈夫か」という不安や二度手間の負担感は拭えず、認可保育所に入れなかった保護者がやむを得ず小規模保育所を選んでいるのが現状だろう。

 小規模保育所側も一定数の園児が入園しなければ、公的支援(措置費)があっても運営は厳しい。関係者の一人は「将来、年齢制限がなくなり、0〜5歳児の小規模保育所が認められれば」と今後の制度改正に期待する。

 0〜5歳は人の成長の土台をつくる大切な時期。子ども本位の施策が必要で、小規模保育所の年齢制限は撤廃した方がいい。問題は財源。国は、来年10月に予定する消費税増税分を少子化対策に充てる考えだ。どうすれば出生率が上がるのか、増税を機に一人一人が考え「社会全体で子育てを支援する機運」をさらに高めたい。(中島義彦)


引用元:
子育て支援新制度(佐賀新聞)