妊娠初期にしっかり野菜を食べると、出生後、子どもがぜんそくになるリスクが低下する可能性があるとする研究結果を、国立成育医療研究センター産科の小川浩平医師らのグループがまとめた。


同センターは、2010〜13年に登録された妊婦と、その子どもの健康について追跡調査を行っている。今回は、妊娠16週目までの妊婦511人に、過去2か月に食べた野菜の量を聞き、少ない順に、五つの群に分類。その母親から生まれた子どもが2歳で、ぜんそくの症状の一つ・ぜん鳴を発症した割合を調査した。

 その結果、野菜を食べた量が最少だった群(1日平均78グラム)に比べ、最多だった群(同286グラム)の母親から生まれた子どもは、ぜん鳴を発症するリスクがおよそ半分に低下。摂取量が増えるに従ってぜん鳴のリスクも低くなる傾向にあることがわかった。

 ぜん鳴は、息を吐くときにゼーゼーという音がする。ぜん鳴がある子どもは、その後、ぜんそくに移行する可能性があるとされる。

 近年、妊娠中や妊娠前の環境や生活が、子どもの健康に影響する可能性が注目されている。小川医師は、「妊婦への栄養指導が、生まれてくる子どもの健康に結びつく可能性が考えられる。さらに研究を進めたい」としている。








引用元:
子のぜんそくを妊婦防げる? 野菜しっかりでリスク低下…国立成育医療研究センター(読売新聞)