妊娠はできるけれども、流産や死産を繰り返してしまうことを「不育症」と呼びます。
とても悲しいことに、1度お腹に授かった命を2回以上流産、または死産(生後1週間以内の赤ちゃんの死亡も含む)によって亡くしてしまった場合を「不育症」と定義します。
また、1度元気なお子さんを出産されていても、2人目、3人目が続けて流産や死産になった際も同様です。(※1)
この記事では、2度の流産・子宮内掻爬(しきゅうないそうは)手術を経験し、「不育症」と診断された過去をもつ保育士の筆者が、不育症について自身の体験エピソードをもとにお伝えしていきます。
【INDEX】
▼「不育症」を知っていますか?
▼自覚症状のない「稽留流産」(けいりゅうりゅうざん)
▼エコーで見えた小さな命の点
▼喜びから一気に「どん底」へ
▼「不育症」を知っていますか?
まず、流産は決して珍しいことではありません。
厚生労働省不育症研究班の調査によると、妊娠をしたことのある女性のうち、約40%は1回以上の流産を経験しているようです。
2回流産の経験者は約4%、3回流産の経験者は約0.8%の頻度でいます。何の異常がなくても、運悪く流産を繰り返してしまう女性もいるのです。(※1)
「不妊症」に比べると認知度の低い「不育症」ですが、実際に苦しんでいる方はたくさんいます。
また、たとえ1度であっても、“流産の経験”というものは深い“心の傷”を負うでしょう。
筆者の経験をお話しすることで、大切な小さな命を亡くされた方々への理解が深まることを願っています。
▼自覚症状のない「稽留流産」(けいりゅうりゅうざん)
2015年3月。
筆者にとっての初めての妊娠は、嬉しい気持ちもありましたが、びっくりするくらい緊張しました。
自分のからだが自分だけのものではなくなる……初めての感覚に力が入りすぎ、ドキドキでした。
しかし妊娠9週を迎えた頃、エコーで赤ちゃんを診察してくださった先生からこう言われました。
「残念…、赤ちゃん、育ってないね…」
頭の中は「?」がいっぱいでした。
つわりもひどいし、疲れやすい。妊娠初期特有の症状はその瞬間にも続いていたからです。
その時点で「稽留(けいりゅう)流産」の疑いがもたれました。
「稽留流産」とは、胎児が死亡してしまっていて、妊娠が継続できない状態になっても、まだ出産・腹痛などの症状がなく、胎児が子宮内にとどまっている状態のことです。(※2)
きっと何かの間違いだと疑いながら帰宅しましたが、少しずつ冷静になってきて、夫が帰宅してからオイオイ泣きに泣きました。
▼エコーで見えた小さな命の点
source:http://www.shutterstock.com/
命が宿り、確実に自分のからだが変わっていく感覚を感じながら過ごした1ヶ月でした。
緊張と不安でいっぱいでしたが、だんだんと「自分が赤ちゃんを守るんだ」「絶対にこの世に産み出してあげたい」と気持ちを奮い立たせていた日々でした。
特につわりは、いつまで続くのか、どれだけひどくなるのかもわからず、気が滅入りました。
検診にいくまで赤ちゃんの無事がわからない妊娠初期は、精神的にとても辛い。
それでも、エコーで見えた小さな命の点を思うと、そのつわりさえも何とも言えない、嬉しい体験になっていました。
それが、突然終わってしまうなんて……。
▼喜びから一気に「どん底」へ
どうしてわかってあげられなかったんだろうか……。
もしかしたら赤ちゃんはお腹の中で苦しい思いをしたんじゃないか……。
からだを冷やしてしまったんだろうか……。
つわりでご飯が食べられなかったからいけなかったのか……。
どうして守ってあげられなかったんだろう。
どうして、どうして……。ごめんね、ごめんね、ごめんね……。
パパになったと喜んでいたのに、夫に申し訳ない。喜んでくれた両親にも、気遣ってくれた職場の方々にも、どんな顔して報告しよう……。
そして、まだお腹の中にいる赤ちゃんのことを思うと、死んでしまったなんて信じられないし、好きなだけお腹の中にいてほしいとも思いました。
お腹にいた大切な命が突然消えてしまうなんて誰も想像したくないことでしょう。
それが1度きりではないということにこの時はまだ知る由もありませんでした……。
引用元:
「不育症」って知ってる?〜繰り返す流産〜【不育症シリーズ #1】(It Mama)