国立がん研究センターなどの研究班は28日、2001年からの4年間にがんと診断された約5万7千人の10年生存率は55・5%だったと発表した。早期の乳がんや大腸がんは生存率が9割を超す。研究班は早期発見のための検診受診の重要さを訴えている。

01〜04年に全国の20のがん専門病院にかかった5〜94歳の患者5万7147人が対象。全部位と18種の部位別に生存率を算出した。現在、診断された患者の生存率はもっと高いと推察される。全部位では00〜03年が対象の前回調査は58・5%。算出方法が変わり、同じ方法で比べると前回は54・2%で1・3ポイント上昇した。部位別では乳房(女性)82・8%、大腸65・9%、肺30・4%など。前立腺(男性)92・4%、甲状腺86・0%などが高かった。

 進行度別でみると、全部位では早期の1期は80・6%。進行するにつれて下がり、4期は13・1%。部位別でも大腸や胃は1期で約9割だったが、4期で見つかると1割を下回る。

 研究班の猿木信裕・群馬県衛生環境研究所長は「早く発見するほど生存率は高い。がん検診を適切に受けるなどしてほしい」と話す。詳細は、全国がんセンター協議会のホームページ


引用元:
早期の乳がん大腸がん、10年生存率9割超 早期発見で(朝日新聞社)