県は2018年度、県内の乳児院に委託し、里親や妊婦を支援する事業を始める。さまざまな事情により親元で暮らすことが困難な子どもを受け入れる里親を増やすとともに、望まない妊娠に悩む女性を支える態勢を強化する狙い。県によると、乳児院によるこうした取り組みは全国でも珍しいという。

 乳児院は、保護者の病気、貧困、育児不安、虐待などさまざまな理由で適切な養育を受けることが困難なおおむね3歳未満の乳幼児を預かる施設。現時点では、委託先としてうえだみなみ乳児院(上田市)を想定し、検討を進めている。

 委託事業では、新規の里親の開拓や里親登録に必要な研修を実施。県が運営する児童相談所(児相)と連携して里親と養護が必要な子どものマッチングを進め、里親への継続的なケアも手掛ける。

 妊婦への支援では、24時間対応の相談窓口を乳児院に開設。妊婦の心身や経済的な状況を勘案しつつ支援計画を作る。出産後の養育が難しい場合には、乳児院や里親の利用、特別養子縁組といった方法を紹介し、産後も支援を続ける。

 家族から養育を受けることが困難な児童のうち、里親の下で暮らす子どもの割合を示す「里親委託率」は県内で16年度13・2%。近年は増加傾向だが、全国平均(16年度18・3%)を下回る状況が続く。18歳までの子どもを養育する児童養護施設を含め、県内では施設で暮らす児童の割合が高い。

 里親関連業務を担う児相は、児童虐待の対応に追われがちな面があり、委託率低迷の一因になっている。県は、16年成立の改正児童福祉法が家庭的環境での養育推進を掲げていることもあり、民間の乳児院に児相の機能を補完してもらい、状況を打開したい考えだ。

 県は、開会中の県会2月定例会に提出した18年度当初予算案に、委託費用計1699万円(うち国庫補助1201万円)を計上している。

引用元:
県内の乳児院が里親や妊婦支援 県、18年度事業委託(信濃毎日新聞)