女の子の健やかな成長を願う、3月3日の「桃の節句」。春らしい雰囲気のひな人形が飾られていると、心が和むもの。最近ではひな人形も時代を反映し、赤ちゃんのような愛らしい顔のもののほか、和室がない家などでも飾りやすいようにコンパクトな「収納飾り」の人気が高まっている。 (油原聡子)

 赤ちゃん顔

 ひな人形というと、細面の輪郭に切れ長の瞳をイメージする人が多いのでは。ところが最近、20〜30代の若い母親の間で人気を集めているのが、赤ちゃん顔のひな人形だ。

 丸い輪郭に、ぱっちりと大きな目。あどけない表情がかわいらしい。人形工房「ふらここ」(東京都中央区)のひな人形は、赤ちゃんのような顔が特徴だ。原英洋社長は「生まれたばかりの赤ちゃんはかわいらしくて、人の心を癒やす力がある。飾っていただく人の気持ちがほっと和んだらいいと企画しました」。

 ひな人形商戦は1月半ば以降がピークだが、ふらここは、11月の販売開始と同時に注文が殺到。買えなかった人は翌年まで待つことも多く、昨年は1千組以上が待ったという人気ぶり。

 愛らしい外見だが、作りは本格的。職人の手による木目込み人形で、顔立ちは15種類から選べる。最近よく売れるのが、目が大きなタイプだ。「今の若いお母さんは漫画世代なので、目の大きいものが好まれる」と原社長。
衣装はパステルカラーの優しい色合いだ。原社長は「今の住環境にうまく溶け込めるように着物の色も工夫しました」と話す。

 男びなと女びなを飾る「親王飾り」で7万5千円前後が売れ筋だという。

 収納しやすく

 百貨店の西武池袋本店(東京都豊島区)のひな人形売り場では、伝統的なひな人形が並び、華やかな雰囲気だ。

 売り場を担当する山口和弘さんは「最近の人気は、収納飾りです。収納用の箱がそのまま台座になり、出しやすく、しまいやすいのがメリット」と話す。

 マンション住まいで和室がない家庭も増え、「飾るスペースも、しまっておく場所もない」という悩みを抱える人も少なくない。こうした悩みに対応したのが収納飾りだという。

 台座となる収納箱自体に梅や桜などの絵が施されているものもあり、インテリアにもなりそうだ。「洋間でも設置しやすい。数年前から人気が出始め、今では売り場の2割を占めるまでになりました」と山口さん。

 同店では小型のひな人形も売れている。インテリアフロアの一角に、コンパクトで手頃な価格のひな人形を集めた売り場を開設。素材も陶器やガラス、木などさまざま。

 売り場を担当する尾崎聡一さんは「伝統的なひな人形を置くスペースがない場合や、2人目の女の子が生まれたときに、立ちびななど小さなサイズのものを求めている方も目立ちます」と話す。3千円前後のものが人気だという。

 ひな人形は訪日外国人にもお土産として好まれている。売り場にはひな祭りについて記した英語のチラシも用意。「この時期にしか手に入らない日本ならではのお土産になります。小さいので、キャリーケースにも入れられる」と尾崎さん。

 小さなひな人形は、玄関やリビングのちょっとしたスペースに飾れば、春らしいインテリアとしても楽しめそうだ


引用元:
ひな人形のトレンドは? 赤ちゃん顔、収納飾り 訪日外国人のお土産にも