妊娠中は当然妊娠していないとき比べ、生体内部環境が大きく変化します。

それによって妊娠していないときでは起こらなかった生体変化が見られると考えられます。

教科書的には「妊娠中の母体の全身の変化」と表現していますが(※1)、今回はその中でも“妊娠中の髪の毛に起こりうる変化”について見ていきたいと思います。




【INDEX】
▼妊娠中に髪の毛が抜ける理由は?
▼抜け毛だけじゃない?妊娠中のカラダの変化
▼妊娠中のNG行動と生活習慣の改善方法とは

▼妊娠中に髪の毛が抜ける理由は?

髪の毛は“性ホルモン”に関係していると言われ(※2)(※3)、特に男性に脱毛が多いのは“男性ホルモン”が深く関係しているということがわかっています。(※4)

一般的に男性と比べて女性に“薄毛”が少ないのは、女性の方が男性ホルモンが少なく、薄毛の原因となりうる物質が少ないからであるのと、女性ホルモンによって髪の毛を抜かないようにするからと言うことができます。

妊娠中は普段の生体内部環境とは異なります。

特に女性ホルモンに関しては、月経周期によって一定の分泌を行っているのですが、妊娠中はこのバランスが崩れます。(※1)

もちろん個人差があるので一概に全員に当てはまるというわけではありませんが、一般的に女性ホルモンの主役である「エストロゲン」は、着床して胎盤が作られた時から出産の時までずっと増加し続けます。(※5)

エストロゲンは妊娠していないときには月経時に排卵付近で一度上昇し、その後低下をしていきます。そしていわゆる“生理”を起こします。(※6)

これが通常の女性ホルモンの分泌となり、髪の毛を保ってくれています。

しかし、妊娠中はずっと増加し続けているので、その状態に体が付いて行けず、髪の毛が抜けやすくなったり、逆に多毛になってしまうという可能性が考えられます。



▼抜け毛だけじゃない?妊娠中のカラダの変化

上述したように原因は女性ホルモンであると考えられます。

これまでの性周期とは異なって、妊娠中は常に女性ホルモンが多く分泌しているということが言えるので、それに伴って髪の毛が薄くなってしまったり、逆に多くなってしまったりということが考えられるのです。

妊娠中は安定期に入ったとしても、変に改善をしようとすると、どうしても胎児に悪影響を及ぼしてしまう可能性があるために、改善方法と言えば生活習慣や食生活を正すというくらいしかありません。

妊娠中の母体の変化は、髪の毛のみならず様々な臓器に影響を及ぼします。(※1)

「妊娠中毒症」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

2005年からは「妊娠高血圧症候群」と言うようになりましたが、(※7)いまだに原因不明な点が多くあり、その要因として「妊娠という負荷に対する母体の適応不全」(※1)として捉えられています。

妊娠に対する適応をさせるためにも、日常から生活習慣や食生活を正すように心がけましょう。



▼妊娠中のNG行動と生活習慣の改善方法とは


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前述したように、妊娠していないときと比べて妊娠中は生体内部環境が大きく異なっています。

ホルモンの分泌変化に対応するために、規則正しい生活や食生活を行うことが重要となってきます。

逆を言えば、良くない生活習慣や睡眠不足などは生体に悪影響を及ぼしてしまう可能性が考えられます。

妊娠中は、つわりが終わると食欲が出て来るという方も多く聞きます。そのようなときに食べ過ぎてしまうことによって、それが“肥満”に繋がってしまうことも考えられます。

肥満だけであればまだしも、肥満によって血管に負担がかかってしまい、血圧が上昇してしまう「妊娠高血圧症候群」が引き起こされてしまう可能性もあります。(※7)

さらに、妊娠していないときと比べるとどうしてもストレスがかかってしまうために、出来る限り母体に負荷がかからないようなストレス解消を行うようにしましょう。(※8)



大切なのは、なるべく身体と心の両方にストレスをかけすぎないような生活習慣を整える意識をすることです。

妊娠中は、抜け毛にとどまらず多くの変化が女性に訪れます。もし、少しでも不安なことや違和感を感じたら、すぐにかかりつけの婦人科などで相談することをオススメします。

引用元:
妊娠したら抜け毛が増えた!? 「髪トラブル」の原因と改善方法(It Mama)