子どもを持つ可能性があるがん患者のうち、治療前に不妊を防ぐ生殖補助医療を受けた人は17%にとどまるとする調査結果を、若年性乳がん患者団体ピンクリング(東京)がまとめた。

がんでは、薬や放射線を使う治療で卵巣や精巣が影響を受け、生殖能力が損なわれることがある。そのため治療前に卵子や精子、受精卵を凍結保存する治療が行われている。

 同団体は昨年、がんと診断された時に子どもを持つ可能性があった男女にインターネットでアンケートし、493人から回答を得た。乳がん患者が343人で7割を占めた。

 不妊対策の治療を受けたのは回答者の17%にあたる83人。費用が30万円以上かかった人は61人で、「とても高い」「高い」と感じた人が8割を占めた。回答者の半数は診断時の年収が300万円未満で、経済的な理由から不妊対策をあきらめた人も多いとみられる。

 がん治療で不妊になる可能性や対策について医療関係者から情報提供がなかった人は204人(41%)に上り、このうち114人は情報提供がほしかったと答えた。同団体の御船美絵代表は「不妊対策の費用の助成も検討してほしい」と話している。


引用元:
がん治療前に「不妊対策」17%…副作用に備えて受精卵など凍結保存(読売新聞)