近年問題視されている「ワンオペ育児」が、「2017年ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされました。最近では育児を積極的に行う男性が増えていると言われていますが、まだまだ課題は山積みのようです。

 

近年問題視されているワンオペ育児とは?

“ワンオペ育児”とは、夫婦のどちらか一方に育児の負担が集中してしまう状況のこと。専業主婦や男性が“ワンオペ育児”の辛さをネットやSNSなどで訴えることもあり、かなり広い定義で使われているようです。

以前ではネットなどでしか見かけない言葉でしたが、NHKの教育番組などでも取り上げられるようになり徐々に市民権を獲得。そしてとうとう「流行語大賞」にノミネートされる程メジャーな言葉になり、子育て世代の人々からは「流行語になってしまう現状は悲しいけど、これを機に“ワンオペ育児”を色んな人に知ってもらいたい」「“ワンオペ育児”大賞とってくれ! そしてもっと広まれ!」といった声が上がっています。

実際に現状のワンオペ育児問題はかなり深刻な様子。今年10月に「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」が発表した“仕事と育児の両立”に関する実態調査の結果によると、男性正社員の育休取得率が「0%」の企業は、調査対象5,000社に対し87.6%。また男性育休取得率の平均値に注目してみても、4.2%(正社員)とまだまだ低めです。

さらに、ワンオペ育児の増加と比例するように“産後うつ”も問題視されています。産後うつとは、出産後に患ってしまううつ病や統合失調症などの精神疾患のこと。「日本産科婦人科学会」の発表によると、東京都23区内で2005年〜2014年までの10年間に「出産後1年未満」の女性40人が自殺で命を落としています。

 

ワンオペ育児で悩むママたちの本音


今まさにワンオペ育児で悩まされている人からは、どのような声が上がっているのでしょうか。ネット上には「専業主婦だからある程度は頑張るけど、体調不良の時とかはマジで死ぬかと思った」「買い物→料理→風呂の流れが本当に大変。特に風呂が過酷だから手伝ってほしい」「ブラック企業の“ワンオペ”に例えてるけど、24時間労働休憩ナシ土日出勤とか正直どんなブラック企業よりもブラック」との意見が寄せられています。

一方で“旦那不要派”のママもおり、「正直育休取って家に居ても邪魔なだけ」「個人的には育休なんかとってないで稼いでほしい」「手伝わなくていいから家に金もってこい」というたくましい声も。ワンオペ育児に対する感じ方は人それぞれのようです。

まだまだ生まれたばかりの新語“ワンオペ育児”は、今後どのように社会に受け入れられるのか。「流行語大賞」の結果と共に注目していきましょう。


引用元:
「どんなブラック企業よりもブラック」ワンオペ育児の“現状”とママたちの本音(ウオーカープラス)