者数が少なく、偏見にもさらされがちな遺伝性の病気の患者らが、連携して声を上げていこうと、病気の種類を超えた当事者団体「ゲノム医療当事者団体連合会」を来月設立する。横のつながりを作り、病気への理解を深め、遺伝情報に基づく差別を認めない社会の実現を訴えていくという。【下桐実雅子】
来月1日に向けて一般社団法人の設立を準備しているのは、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の当事者会「NPO法人クラヴィスアルクス」(東京都)の太宰牧子理事長や、遺伝性大腸がんの患者家族会「ハーモニー・ライン」(大阪府)の土井悟代表ら。8団体が加盟する。
太宰さんは40歳だった姉を卵巣がんで亡くし、自分も2011年、42歳で乳がんになった。姉妹で若くしてがんになったことに疑問を持ち、遺伝子検査を受けてHBOCと分かった。
遺伝性の病気とどう向き合えばいいのか、周りに話せる仲間がおらず、14年、HBOC初の当事者会を結成。「子どもにどう伝えたらいいのか」などの悩みを持つ人が全国から集まった。
土井さんは1998年、大腸に多数のポリープができてがん化しやすい「家族性大腸腺腫症」の患者会を設立した。遺伝性の病気は家族や血縁者にもかかわるため、病気を公にしにくい。名前を出して活動する土井さんの存在に太宰さんは励まされたという。
太宰さんは会の活動をする中で、遺伝性の病気の診療やサポート態勢が十分でないと痛感した。HBOCの場合、高い確率で乳がんや卵巣がんを発症するが遺伝子検査や予防切除などの保険診療は認められていない。「病気について理解してもらい、就職や保険加入などでの差別や偏見のない社会を作りたい」と話す。
新団体の問い合わせは太宰さん(070・2652・2525)へ。
引用元:
がん患者ら連携 来月、団体設立「病気の理解広めたい」(毎日新聞)