韓国で不妊治療が急増しているという。

韓国保健福祉部が10月12日に発表したところによると、韓国における不妊治療は2012年から2016年で、14.8%増と増加傾向にある。また体外受精の施術件数も、2013年から2015年で30%以上増えたという。

つまるところ、不妊に悩む夫婦が増えているということだ。

少子化問題で「地球上から真っ先に消える」とも

当然ながら、喜ばしいことではない。日本もそうだが、韓国でも少子化問題が非常に深刻な社会的テーマになりつつあるからだ。

というのも、8月23日に韓国統計庁が発表した「2017年6月人口動向」によれば、今年上半期に生まれた新生児は約18万8000人で、ついに20万人を下回った。前年同期比で見ても12.4%も減少している。

その合計出生率は1.17人(2016年)。今年はさらに下がって1.03人になると予想されている。日本の2016年の合計特殊出生率が1.44人であることからも、韓国の少子化問題の深刻さがわかるだろう。

イギリスのオックスフォード人口問題研究所が「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」と指摘しているほどだ。

(参考記事:「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」…3年後に迎える“人口絶壁”の原因は)

不妊増加の原因は男性、その原因は?

そんな背景のなかで不妊治療の件数が増えているわけだが、どうもその原因は男性側にあるらしい。

韓国国民健康保険の不妊患者数に関する資料によれば、女性患者は2012年15万485人から2016年15万7168人と、4年間で4.5%の微増だ。

一方、男性患者は2012年4万1442人から2016年6万3114人と、なんと52.3%も激増しているのだ。

社会的な関心が広がって、男性の診療自体が増えたこともあるだろう。それでも『東亜日報』の記事は、専門家の指摘として「長く座っている勤務環境と肥満、ストレスなどが男性患者増加の主な原因」と解説している。

たしかに韓国のサラリーマンたちの労働時間は長く、生産性も低いとの指摘が尽きない。日本の“働き方改革”を「羨ましい」というほどの過酷な職場環境にあるという。

(参考記事:「日本の“働き方改革”が羨ましい」韓国サラリーマンたちの過酷な職場環境とは?)

しかも、給料も高くないとされている。

韓国統計庁の「2016年上半期地域別雇用調査・就業者の産業と職業別特性」によると、1946万7000人いる韓国のサラリーマンのうち、月収「100万ウォン(約10万円)未満」が11.2%、「100〜200万ウォン未満」が34.6%を占めるという。

その一方で、社会人になっても習い事をする人が多いというのが韓国の特徴かもしれない。

幼い頃から塾や習い事をしている人が多い韓国では、社会人になっても「常に何かを習わないと不安…」と感じるらしい。ちなみに、韓国の社会人に多い習い事は外国語学習で、英語よりも日本語を学ぶ韓国人が多いとのこと。

ストレスが火病(ファビョン)に

長時間労働、低賃金、それでも勉強が必須…。韓国人男性がストレスを溜めていることが容易に想像できるだろう。

ストレスが主な原因といわれている韓国特有の病気「火病(ファビョン)」に、韓国サラリーマンの90%が病んでいるという報道もあったほどなのだ。

(参考記事:年間11万人が“火病(ファビョン)”に苦しむ現代韓国。なぜ火病は韓国特有の病気なのか)

いずれにしても不妊に悩む韓国人男性が増加傾向にあるということは、少子化問題がさらに深刻になるということを意味していると思う。彼らが救われる方法はないのか。一刻も早い改善が求められている。


引用元:
わずか4年間でなんと50%増!? 今、なぜか韓国人男性の“不妊症”が急増しているワケ(Yahoo!ニュース 個人)